眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

月よりの使者――群青によせてB

小説/詩

II. 届かない挽歌
机のうえの 空つぽの硝子壜(びん)
そこには君が残した 群青のなみだ
僕はそれを 指でなぞつては
呼んでも還らぬ その名前を呟く
風は林を鳴らし 遠い海へと吹き抜け
僕のちひさな溜息を さらつてゆく
使者が忘れていつた あおい手紙は
一行も読めぬまま 月のひかりに灼かれ
どうして僕は 引き止めなかつたらう
あの凍えた肩を 抱きしめることもせず
ただ淡い夢のやうに 見送つてしまつた
夜が深まるほどに 傷口はひらき
僕の心は 暗い海の底へと
あてもなく 沈んでゆくばかりだ


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