眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

暮れないキャバレー

日記

ネオンが歪む夜の底、煤けたドアを押し開ける。
そこは、時間が溺死した場所――暮れないキャバレー。
サックスが低く、
傷口をなぞるように吠えている。
氷が溶ける速度で、
誰かの人生がすり減っていく。
カウンターの端、
琥珀色の液体に沈むのは、
昨日を失くし、明日を拒んだ男たちの影。
背中できくジャズは、
安っぽい裏切りの味がした。
ステージの女が歌うのは、
愛という名の、出来の悪い絵空事。
煙草の煙が、
嘘と真実の境界線を曖昧にぼかす。
「ここには夜しかないのさ」
バーテンダーが、
血のようなワインをグラスに注ぐ。
「それも、決して明けることのない夜がね」
外は激しい雨。
街の汚れを洗い流すための雨。
キャバレーの床に染みついた、
孤独の黒ずみだけは、誰も消せやしない。
時計の針は止まったままだ。
夜が終わらないのではない。
朝を忘れてしまっただけだ。
コートの襟を立て、
最後の一滴を飲み干す。
冷え切った硝煙の匂いを胸に抱き、
私は再び、
暮れない闇の中へ


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