眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

無常の月

日記

見上げる空には、ただ冷たく冴え渡る月。
満ちては欠け、形を変えても、あの光だけは何も語らない。
人の世の営みも、愛憎の果ても、
すべてはあの白い光の下で、泡沫(うたかた)のように消えていく。
昨日の友が、今日の敵になる。
固く交わした誓いほど、脆く崩れ去る。
そんな無常の理(ことわり)を、私は嫌というほど見てきた
それが、この街で生き残る唯一の術だ。
月光が、路地裏の水溜まりを鈍く照らしている。
濁った水に映る月を、容赦なく踏みつけて行く。
形あるものはすべて壊れ、美しい記憶ほど早く色褪せる。
ならば最初から、永遠など期待しなければいい。
あの月は、すべてを知っている。
私がここで倒れようと、誰かがどこかで泣いていようと、
ただ冷然と、世界を等しく照らし続ける。
「無常か。悪くない」
消えゆく煙草の火を月にかざし、小さく笑う。
移り変わる世界の中で、変わらないのは私の孤影
終わりのない夜の闇へと消えていく。


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