路傍の月
そっと あかるい街のなはてに
だれも見てゐない ひとつのともしび
青いおもひでのやうに ひくく
草のそよぎに かくれてゐる
だれも見てゐない ひとつのともしび
青いおもひでのやうに ひくく
草のそよぎに かくれてゐる
もう かへる道を見失つたのだらうか
それとも ここにゐるのがしづかなのだらうか
銀のひかりは 露にぬれて
わたくしのくつを やさしく照らす
それとも ここにゐるのがしづかなのだらうか
銀のひかりは 露にぬれて
わたくしのくつを やさしく照らす
風がわたる かなしい歌のやうに
こころのなかの ちひさな窓をひらいて
ゆきずりの影を 見送るばかり
こころのなかの ちひさな窓をひらいて
ゆきずりの影を 見送るばかり
あはれな月よ 路傍の月よ
きみとわたくしは よく似てゐる
ただ黙つて 夜のふかまるのを待つてゐる
きみとわたくしは よく似てゐる
ただ黙つて 夜のふかまるのを待つてゐる