移りゆく影に
薄紅の秋のひかりは またたく間に褪せて
水のうえを 灰色の雲がすぎてゆく
あおい空の記憶を ひそかに湛へながら
小川はしづかに 冷たさを増してゐた
水のうえを 灰色の雲がすぎてゆく
あおい空の記憶を ひそかに湛へながら
小川はしづかに 冷たさを増してゐた
あなたの面影が 水のなかに揺れてゐる
もう届かない 遠い日の窓のやうに
ひとつの名前を つぶやいてみても
流れる水は ただかすかに答へるだけ
もう届かない 遠い日の窓のやうに
ひとつの名前を つぶやいてみても
流れる水は ただかすかに答へるだけ
風が吹いて 梢のあかい葉を落とし
水面はひととき 暗い銀色に翳る
すぎてゆく季節のやうに 美しく
水面はひととき 暗い銀色に翳る
すぎてゆく季節のやうに 美しく
この水はどこへ流れてゆくのだろう
私のこころの いちばん淡い
あかるい傷口の その夕映えの方へ
私のこころの いちばん淡い
あかるい傷口の その夕映えの方へ