眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

移りゆく影に

小説/詩

薄紅の秋のひかりは またたく間に褪せて
水のうえを 灰色の雲がすぎてゆく
あおい空の記憶を ひそかに湛へながら
小川はしづかに 冷たさを増してゐた
あなたの面影が 水のなかに揺れてゐる
もう届かない 遠い日の窓のやうに
ひとつの名前を つぶやいてみても
流れる水は ただかすかに答へるだけ
風が吹いて 梢のあかい葉を落とし
水面はひととき 暗い銀色に翳る
すぎてゆく季節のやうに 美しく
この水はどこへ流れてゆくのだろう
私のこころの いちばん淡い
あかるい傷口の その夕映えの方へ


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