忘却の風琴
薄紅のひかりは とうに失はれてあつた
灰色の雲が 低く夜を運んでくる
あおい空を忘れた 底の暗さのなか
小川はただ 凍てついた過去を流すのであつた
灰色の雲が 低く夜を運んでくる
あおい空を忘れた 底の暗さのなか
小川はただ 凍てついた過去を流すのであつた
失はれた歌よ おまへはどこへ消えたのか
冷たい水に この指をひたしてみても
耳の底に鳴りひびくのは こわれた風琴の
ただ寂しげな 鳴りやまぬ錯覚ばかりであつた
冷たい水に この指をひたしてみても
耳の底に鳴りひびくのは こわれた風琴の
ただ寂しげな 鳴りやまぬ錯覚ばかりであつた
風が吹き止んで すべてが死に絶える
あかい葉は沈み 水面は黒い鏡となり
消え去った日々の 冷えびえとした影だけ
あかい葉は沈み 水面は黒い鏡となり
消え去った日々の 冷えびえとした影だけ
この水はどこへ流れてゆくのだろう
私のこころの いちばん深い
永久に目覚めぬ 闇の底へ
私のこころの いちばん深い
永久に目覚めぬ 闇の底へ