風のゆくえ
それは どこから来たのだったろう
かすかな 薄紅の 夕ぐれの雲のすきまから
それとも だれも知らない 古い林の
青い 小さな木の実の おちる音から
かすかな 薄紅の 夕ぐれの雲のすきまから
それとも だれも知らない 古い林の
青い 小さな木の実の おちる音から
あなたは だまって そこにいて
僕のさしだす 冷たい両手を
まるでおくりもののように 受けとめてくれた
あの わすれられた 五月の午後
僕のさしだす 冷たい両手を
まるでおくりもののように 受けとめてくれた
あの わすれられた 五月の午後
風は いつでも すぎてゆく
僕らのかなしみを すこしずつ削りながら
どこかへ やさしい夢の国へと はこぶために
僕らのかなしみを すこしずつ削りながら
どこかへ やさしい夢の国へと はこぶために
だから いまは 眼をとじて
ただ 耳をすましていよう
窓のむこうの 名もない草たちが
しずかに 夜のしたくをはじめるとき
ただ 耳をすましていよう
窓のむこうの 名もない草たちが
しずかに 夜のしたくをはじめるとき