眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

風のゆくえ

小説/詩

それは どこから来たのだったろう
かすかな 薄紅の 夕ぐれの雲のすきまから
それとも だれも知らない 古い林の
青い 小さな木の実の おちる音から
あなたは だまって そこにいて
僕のさしだす 冷たい両手を
まるでおくりもののように 受けとめてくれた
あの わすれられた 五月の午後
風は いつでも すぎてゆく
僕らのかなしみを すこしずつ削りながら
どこかへ やさしい夢の国へと はこぶために
だから いまは 眼をとじて
ただ 耳をすましていよう
窓のむこうの 名もない草たちが
しずかに 夜のしたくをはじめるとき


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