旅びとの唄
高原の秋は 乾いた風からはじまる
白樺の林を抜け 枯れはじめた草の葉を揺らし
風はどこへ行くともなく ただ吹き過ぎて
私の古い外套の 襟をそっと濡らしていく
白樺の林を抜け 枯れはじめた草の葉を揺らし
風はどこへ行くともなく ただ吹き過ぎて
私の古い外套の 襟をそっと濡らしていく
一本の道を 私はひとり歩いている
振り返れば 遠い山並みが青く翳(かげ)り
ちぎれた雲が 冷たい空の果てへと
私の知らない 明日の国へ急いでいる
振り返れば 遠い山並みが青く翳(かげ)り
ちぎれた雲が 冷たい空の果てへと
私の知らない 明日の国へ急いでいる
立ち止まり ただ風のゆくえを眺めるとき
心は透明な ガラスの器のようになり
あわい寂しさが 静かに満ちてくる
心は透明な ガラスの器のようになり
あわい寂しさが 静かに満ちてくる
名も知らない 旅の日の夕暮れよ
私はこの乾いた 風の唄を道連れに
また静かに 歩きはじめよう
私はこの乾いた 風の唄を道連れに
また静かに 歩きはじめよう