廢屋の窓
秋の野づらは果てもなく
乾ける風の 吹きすさぶなかに
人目(ひとめ)離れて 寂しく立てる
古りし小舎(こや)あり 旅人の目を惹く
乾ける風の 吹きすさぶなかに
人目(ひとめ)離れて 寂しく立てる
古りし小舎(こや)あり 旅人の目を惹く
その硝子戸(がらすど)は 塵に汚れ病みて
外(と)の白雲の ゆきかひをただ映し
あるじ無き部屋の 暗きしじまの裡(うち)に
遠き日の光の なごりをとどむるのみ
外(と)の白雲の ゆきかひをただ映し
あるじ無き部屋の 暗きしじまの裡(うち)に
遠き日の光の なごりをとどむるのみ
あはれ その窓は語らねど 我に告ぐ
かつてここにありし 憩ひの幻を
風はただ 破れしひさしを叩けども
かつてここにありし 憩ひの幻を
風はただ 破れしひさしを叩けども
旅びとの心は 透明なる寂寥(せきれう)に満ち
古びし窓の 冷たき枠(わく)に手をふれて
しばし己(おの)が 孤独の影をかさねむ
古びし窓の 冷たき枠(わく)に手をふれて
しばし己(おの)が 孤独の影をかさねむ