眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

秋の夜風

小説/詩

やはらかい ひとしきりのはじまりに
それはどこからか吹いてくる……
しづかな木の葉のまばたきのやうに
おまへの指先をかすめてゆくもの
(おまへは 西風よ
 みんな どこへいつてしまつただらう)
とほい空のしじまから
いくつもの星の光が つめたくこぼれ
ふるへる窓を打つはしらも
いまはもう、あたたかな歌を忘れてゐる
ただ ひとたびの風が
わたしの心のひたむきな野辺を吹きぬけ
置き忘れていつたものは——
なつかしい ひとつのしづかな名前だ。


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