眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

パステルの哀歌

日記

薄紅色の 夕映えがひそかに褪せてゆく
荒涼とした高原の そのうす青い陰(かげ)のなか
わたしはひとり ちひさなネジをまはしてゐる……
風にちぎれる 硝子(がらす)のやうな音色のために
(おまへは 淡いパステル画のやうだ
 こすればすぐに 消えてしまふほどのはかなさで)
遠い地平の ヒヤシンス色のしじまから
冷たい夜の霧が ひたひたとひろがり
かつて咲きこぼれた アネモネのあざやかな彩りを
この枯草の原は すつかり忘れてゐる
ただ 夢のやうな色彩(いろ)のなごりが
オルゴールの響きにのつて かすかに揺らぎ
わたしの哀しみに そつと寄り添ふものは——
あのひとが残していつた 一枚のやさしい絵の具の記憶だ


#日記広場:日記