高原のオルゴール
草の枯れた ひろい高原のまんなかで
わたしはひとり ちひさな玩具(おもちや)をまはしてゐる……
からからと乾いた風が吹きすぎてゆくなかに
かすかにこぼれる うす青い硝子(がらす)の音色
わたしはひとり ちひさな玩具(おもちや)をまはしてゐる……
からからと乾いた風が吹きすぎてゆくなかに
かすかにこぼれる うす青い硝子(がらす)の音色
(おまへは 古い時計のやうに
もう戻らない時間を ひとり刻んでゐる)
もう戻らない時間を ひとり刻んでゐる)
見渡すかぎりの あれた野辺のむかう
ちぎれた雲が 夕映えのなかに消えてゆき
かつてここにあつた リラの花や小鳥のさへづりを
この寒々とした大地は すつかり忘れてゐる
ちぎれた雲が 夕映えのなかに消えてゆき
かつてここにあつた リラの花や小鳥のさへづりを
この寒々とした大地は すつかり忘れてゐる
ただ ねぢを巻きなおしたオルゴールが
つめたい風に抗(あらが)ふやうに鳴りひびき
わたしの心に そつと呼びさますものは——
むかし誰かと聴いた なつかしいやさしい歌の記憶だ。
つめたい風に抗(あらが)ふやうに鳴りひびき
わたしの心に そつと呼びさますものは——
むかし誰かと聴いた なつかしいやさしい歌の記憶だ。