リンドウの花に寄せて
青い、あまりに青い硝子のコップに
だれが溢れるほどの秋を盛つたのか
しづかな日暮れの 微風のなかに
君はひつそりと 眼をひらいてゐる
だれが溢れるほどの秋を盛つたのか
しづかな日暮れの 微風のなかに
君はひつそりと 眼をひらいてゐる
あんなに輝かしかつた夏の日々は去り
小鳥たちの歌も いまは遠い
それなのに君の つめたい花びらは
かすかな祈りのやうに 空を指してゐる
小鳥たちの歌も いまは遠い
それなのに君の つめたい花びらは
かすかな祈りのやうに 空を指してゐる
哀しみが やさしい光にかはるまで
僕らはどれほど たたずんでゐたらいいのだらう
風のゆくへを ただ見送るだけの
ちひさな、ちひさな、山のともしび
僕らはどれほど たたずんでゐたらいいのだらう
風のゆくへを ただ見送るだけの
ちひさな、ちひさな、山のともしび
おやすみなさい 言葉に隠されたひと
明日はもう 冷たい露が降りるだらう
君の青い、その深いかなしみのなかに
僕のあはい夢を そつと眠らせておくれ
明日はもう 冷たい露が降りるだらう
君の青い、その深いかなしみのなかに
僕のあはい夢を そつと眠らせておくれ