眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

リンドウの花に寄せて②

小説/詩

だれも言葉をかけない夕暮の
ひろい世界の いちばん端つこに
青いリンドウの花がひらいてゐる
ただそれだけの しづかな秋の午後
風はどこかで 寂しい歌をうたひ
ちひさな雲を 遠くへ運んでゆく
僕の影は 草のなかに長く伸びて
いつのまにか 夜のなかに消え去らうとしてゐる
人はみな それぞれの家へと帰り
山のひだには ともしびが点りはじめる
僕はただひとり ここに立ちつくし
つめたい空気の 底に沈んでゐる
あきらめのやうな かすかな光をたたへて
君はなぜ そんなに深く青いのか
僕の心もまた だれに宛てるでもなく
この日暮のなかに そつと閉ぢられてゆく


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