寡黙な夜の、境界線(Don't Exp...
午前2時。
錆びついたジャズが流れるカウンターの片隅。
お前は濡れたコートも脱がずに、隣の椅子へ腰を下ろした。
錆びついたジャズが流れるカウンターの片隅。
お前は濡れたコートも脱がずに、隣の椅子へ腰を下ろした。
差し出されたグラスを握る、お前の指先がわずかに震えている。
事業が破綻したのか。
あるいは、すべてを失うような致命的なカードを切ってしまったのか。
事業が破綻したのか。
あるいは、すべてを失うような致命的なカードを切ってしまったのか。
お前の乾いた唇が、言い訳を紡ごうと動く。
だが、その言葉を喉の奥へ押し戻せ。
だが、その言葉を喉の奥へ押し戻せ。
言い訳(Explain)なんて、夜の闇にでも溶かしてしまえ。
人生という名の泥泥(どろどろ)としたゲームのなかで、
俺たちは何度も泥をすすり、苦い水を飲んできた。
今さらお前がどんな敗北を喫しようが、俺たちの歴史が揺らぐことはない。
俺たちは何度も泥をすすり、苦い水を飲んできた。
今さらお前がどんな敗北を喫しようが、俺たちの歴史が揺らぐことはない。
窓の外は、すべてを洗い流そうとする冷たい雨。
世間がお前をどう品定めし、どう指差そうが、
俺がお前という男を信じた事実に、1セントの狂いもない。
世間がお前をどう品定めし、どう指差そうが、
俺がお前という男を信じた事実に、1セントの狂いもない。
お前の口から、みっともない弁明を聴くくらいなら、
凍りついた沈黙に耐えている方がまだマシだ。
男の誇りなんてものは、一度言葉にすれば安っぽく剥がれ落ちていく。
凍りついた沈黙に耐えている方がまだマシだ。
男の誇りなんてものは、一度言葉にすれば安っぽく剥がれ落ちていく。
だから、何も言うな。
ただ、目の前にある琥珀色の液体を胃袋に流し込め。
ただ、目の前にある琥珀色の液体を胃袋に流し込め。
言い訳はいらない。
お前がここに座っている。
この夜、語るべき真実はそれだけで十分だ。
お前がここに座っている。
この夜、語るべき真実はそれだけで十分だ。