眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

寡黙な夜の、境界線(Don't Exp...

日記

午前2時。
錆びついたジャズが流れるカウンターの片隅。
お前は濡れたコートも脱がずに、隣の椅子へ腰を下ろした。
差し出されたグラスを握る、お前の指先がわずかに震えている。
事業が破綻したのか。
あるいは、すべてを失うような致命的なカードを切ってしまったのか。
お前の乾いた唇が、言い訳を紡ごうと動く。
だが、その言葉を喉の奥へ押し戻せ。
言い訳(Explain)なんて、夜の闇にでも溶かしてしまえ。
人生という名の泥泥(どろどろ)としたゲームのなかで、
俺たちは何度も泥をすすり、苦い水を飲んできた。
今さらお前がどんな敗北を喫しようが、俺たちの歴史が揺らぐことはない。
窓の外は、すべてを洗い流そうとする冷たい雨。
世間がお前をどう品定めし、どう指差そうが、
俺がお前という男を信じた事実に、1セントの狂いもない。
お前の口から、みっともない弁明を聴くくらいなら、
凍りついた沈黙に耐えている方がまだマシだ。
男の誇りなんてものは、一度言葉にすれば安っぽく剥がれ落ちていく。
だから、何も言うな。
ただ、目の前にある琥珀色の液体を胃袋に流し込め。
言い訳はいらない。
お前がここに座っている。
この夜、語るべき真実はそれだけで十分だ。


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