落日の森によせて
すこしつめたい風が吹いてくる
木の葉のあいだから うすい光がもれて
それはまるで だれかのしずかなささやきのやうに
草のうえに やさしく影をおとす
木の葉のあいだから うすい光がもれて
それはまるで だれかのしずかなささやきのやうに
草のうえに やさしく影をおとす
ゆふぐれは いつもみじかく
きやうのやさしいおもひでを どこかへつれてゆきさうだ
ぼくはただ すわつてゐる ひとつの切りかぶに
過ぎ去った日の 古びた歌をくちずさみながら
きやうのやさしいおもひでを どこかへつれてゆきさうだ
ぼくはただ すわつてゐる ひとつの切りかぶに
過ぎ去った日の 古びた歌をくちずさみながら
どこかで ちひさな鳥のなく声がした
ねぐらへかへる羽音が こづえを揺らして
またすぐに もとの静けさがもどつてくる
そのさびしさを ぼくはだまつて見送つてゐる
ねぐらへかへる羽音が こづえを揺らして
またすぐに もとの静けさがもどつてくる
そのさびしさを ぼくはだまつて見送つてゐる
あしのとを ひそやかに濡らしてゆく小川は
ひるまの青い空のわすれものを
ひとつひとつ 海へと運ぶやうに
かすかな音をたてて 流れてゆくのだった
ひるまの青い空のわすれものを
ひとつひとつ 海へと運ぶやうに
かすかな音をたてて 流れてゆくのだった
遠い空のすみのほうで
ちひさな星が ひとつ まばたきをはじめる
それをまつてゐたかのように 森はふかく眠りにつき
すこしの沈黙が あたりを包むのだった
ちひさな星が ひとつ まばたきをはじめる
それをまつてゐたかのように 森はふかく眠りにつき
すこしの沈黙が あたりを包むのだった