眠りの森 〜言葉の雫〜

眠

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

落日の森によせて

小説/詩

すこしつめたい風が吹いてくる
木の葉のあいだから うすい光がもれて
それはまるで だれかのしずかなささやきのやうに
草のうえに やさしく影をおとす
ゆふぐれは いつもみじかく
きやうのやさしいおもひでを どこかへつれてゆきさうだ
ぼくはただ すわつてゐる ひとつの切りかぶに
過ぎ去った日の 古びた歌をくちずさみながら
どこかで ちひさな鳥のなく声がした
ねぐらへかへる羽音が こづえを揺らして
またすぐに もとの静けさがもどつてくる
そのさびしさを ぼくはだまつて見送つてゐる
あしのとを ひそやかに濡らしてゆく小川は
ひるまの青い空のわすれものを
ひとつひとつ 海へと運ぶやうに
かすかな音をたてて 流れてゆくのだった
遠い空のすみのほうで
ちひさな星が ひとつ まばたきをはじめる
それをまつてゐたかのように 森はふかく眠りにつき
すこしの沈黙が あたりを包むのだった


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