YUKIEのきまぐれ日和

YUKIE

 気まぐれに、その日の出来事や、感じたこととかを書いていくつもりです。
 あと、別のブログで公開していた小説もUPしています。よかったら読んでください。

ジングル・キャット~前編~

自作小説

 ここはとあるプロテスタントの教会。そこに、一人の男性がやってきた。
「フルムーンの白石です。ご予約いただいたケーキお届けに参りました。」
 
やってきたのは洋菓子店『フルムーン』のオーナーだ。
 毎年この教会では、クリスマスのお楽しみパーティーで、子供たちにケーキを振舞っている。
 
教会の牧師が彼を迎えた。
「毎年ありがとうございます。白石さんのところのケーキ、子供たちは毎年楽しみにしているもので。」
「いえいえ。毎年私のケーキを子供たちが楽しみにしているのは、私にとってもうれしいことです。」


「ハーイ、みなさん。ケーキですよ~。」
『わーい!!!』
 
子供たちは、牧師が並べたブッシュ・ド・ノエルをおいしそうに食べた。
「クリスマスはにぎやかですね。」
「教会もこの日はにぎわいますね。子供たちのお芝居ですとか、お楽しみ会ですとか。」 
「子供たちの笑顔を見るのが何よりの楽しみですよ、私は」
「そうですね・・・・・・。」
 
そうは言いながらも、牧師が少しだけ悲しそうな顔をしているのに、シスターは気がついていた。
「マリー・ジョゼフ。どうかしましたか?」
「あっ、いえ。」
 マリー・ジョゼフは知っていた。
 牧師は1年前に事故で家族を亡くしてしまった。
 それ以来、とても明るかった牧師は、時折少し影を落とすようになってしまったのだ。


「さて、今日の仕事はもう終わりです。そろそろ帰りましょうか。」
「はい。正一さん(牧師の本名)もお気をつけて。」

 
正一は、教会の近くの自宅へと帰っていった。
「おや・・・・・・?まただ。やっぱり気のせいではなかったのか。」
 
正一は家に帰ってきて、異変に気がついた。
 
行くときはケースに入れておいたスリッパが一足きちんと並んでいる。まるで自分が履くためのものが用意されているようだ。
 他にも、少し散らかっていた部屋がとても綺麗に片付いていたり、朝使って水につけておいた食器がもう洗い終えていたり。それに、自分は使っていない踏み台が使われた形跡がある。踏み台は生前、孫が使っていたものだ。

 
この異変は一昨日からだった。一昨日は、スリッパが玄関に並べてあっただけなので、自分がしまい忘れただけだろうと思っていた。
 
しかし、昨日はスリッパだけでなく、部屋の中が少しだけ片付いていた。それで少しおかしいとは思ったが、あまりに気に留めてはいなかった。
 
さらに今日帰ってきたらこの通り。
 これはさすがに気のせいではないと思った。
「一体誰なんだろう?ここまでしてくれたのは。もしかして、神から僕へのクリスマスプレゼントなのだろうか?」

 
そんなことを言いながら、夕飯を食べて、食器洗いもさっさと済ませた。
 
 
おなかがいっぱいになったせいか、ソファーに座っていたら、眠くなってきた。このままちょっと眠ろうかと目をつぶったときだった。膝にの上何かがかかるのを感じた。

「ん?あれ?」
 
目を開いて見ると、ひざ掛けが自分の足にかけてあった。

 正一は思った。
(やはり、この家には何かがいる・・・・・・?)

  • kameko

    kameko

    2009/12/06 21:25:52

    こんばんわ~ゆっくり読んでます^^
    なにか・・・幸せな予感?ステキな予感を感じさせますねっ。
    たのしみ~^^

  • YUKIE

    YUKIE

    2009/12/06 17:14:37

    kamekoさん:どうもです(^^)

  • kameko

    kameko

    2009/12/06 15:23:49

    こんにちは^^ステプお届け~(*゚∇^*)ノ

  • YUKIE

    YUKIE

    2009/12/06 01:18:42

    寝音さん:さて、なんでしょうかね~(^^)?

  • 寝音

    寝音

    2009/12/06 00:17:01

    おおーー!
    なんか楽しいですね。
    何がいるんだろう・・・?