海ちゃん

Laughcat

特にテーマを決めず、思いついたことを書き綴っていこうと思います。
大したことは書いてませんが遊びに来てください!

小説垂れ耳うさぎプゥの導き第二話ダイバーシティ①

自作小説

「垂れ耳うさぎプゥの導き」


第二話 ダイバーシティ


その日、マヤは2人のシェアルームメイトの

女子たちからのいじめを受けていた。

一人で悩み、心が重くなっていく。

道を歩いているうちに、

彼女の目に大学のキャンパスに掲示されたポスターが飛び込んできた。

それは藤山浩太教授の講義の告知だった。

「感情のコントロールと自己理解」

というテーマに心が引かれ、マヤは思わず立ち止まった。

彼女は考えた。自分の感情をコントロールし、

自己理解を深めることができれば、

もしかしたらいじめに対する対処法を見つけることができるのではないかと。

決意を固め、その講義を受講することを決めた。

マヤは初めて藤山教授の講義に参加しました。

教室に入ると、一番前の席が空いていました。

彼女はためらうことなくその席に座り、

興味深そうに講義を聞き入っていました。

教授の話に集中し、新しい知識や考え方に触れることで、

ますます興奮していきました。

彼女はこの講義が自分の人生や将来にどのような影響を与えるかを楽しみにしています。

「皆さん、感情のコントロールは非常に重要です。

これまでの人生で、どのような状況で怒りや不安を

感じることが多かったでしょうか?」

藤山教授がクラスに問いかけました。

すると、教室の中から様々な声が上がりました。

「仕事でのミスや誤解が怒りを引き起こすことがあります」

「家族や友人とのコミュニケーションが

不安を引き起こすことがあります」

「プレッシャーやストレスが感情のコントロールを難しくします」

といった意見が聞かれました。

藤山教授は生徒たちの意見を傾聴し、

「皆さんのお話、ありがとうございます。」

「感情のコントロールは私たちの日常生活において非常に重要なスキルです」

「では、どのようにしてポジティブな感情に切り替えることができると思いますか?」

と次の質問を投げかけました。

この問いかけに対しても、

生徒たちからさまざまなアイデアが提案されました。

笑いや運動、リラックス法、

肯定的な思考の切り替えなど、様々な方法が挙げられました。

藤山教授は生徒たちの意見に対して称賛の言葉を送り、

「素晴らしいアイデアですね。

感情のコントロールは学ぶことができるスキルです」

「日々の生活で、自分自身の感情を理解し、

ポジティブな方向に導くために努力してみましょう」

とエールを送りました。

マヤも他の生徒たちと共に、藤山教授の話に耳を傾けながら、

自分自身の感情について考えました。



マヤは決意を固め、藤山教授のオフィスに向かった。

彼女は一度も自分の感情や悩みを

誰かに打ち明けたことがなかったが、

今はその必要性を感じている。

「先生、よろしいでしょうか?」

とマヤが教授のオフィスのドアをノックした。

「はい、どうぞ」と教授が応えると、

マヤは恐る恐る中に入っていった。

「マヤさん、ご用ですか?」

藤山教授は親しげに微笑んだ。

彼女の眼差しは悩みと不安に満ちていた。

「先生、実は何か相談したいことがあって…」

彼女の声は少し震えていた。

教授はマヤの姿に目をやり、

「どうしたの?何か悩みがあるのかい?」と尋ねた。

マヤは深いため息をつきながら言葉を続けた。

「はい、実は最近、シェアメイトからいじめを受けているんです。」

教授の眉が少しばつがつと顔を覆い、

同情的な視線を向けた。

「そうなのか。それは大変だね。

具体的にどんなことがあったんだい?」

マヤは勇気を振り絞って彼に話をする。

「彼女たちは私の宗教を理由に私を嫌い、侮辱してきます。」

教授は彼女の語る悲しい出来事に聞き入り「それは許されないことだね。

君が辛い思いをしていること、よくわかるよ。」

と共感を示した。

「でも、どうすればいいかわからなくて…」

とマヤが口を挟むと、教授は優しく微笑みながら言った。

「マヤ、君がこの問題に直面しているのは、

非常につらいことだろうね」

「いじめは深刻な問題であり、

それが宗教の違いに関連していると聞いて驚いたよ」

「私は、全ての人が自分の信念や宗教を

尊重するべきだと信じています」

「君の体験を聞いて、私たちはこの問題について考え、

解決策を見つけなければならないと感じています」

「一緒にこの問題に取り組んで、

解決策を見つける手助けをしたいと思います」

教授の声が、やわらかな調べでマヤの心に響いた。


教授は、彼女の辛そうな顔を見て、深い憂慮の表情を浮かべた。彼は言った。

「いじめは、それ自体が深刻な問題であり、その影響は深刻です。

うつ病や不安症、あるいは自殺願望など、多くのリスクが関連しています。

更に、学業の低下や社会からの離脱といった問題も懸念されます。

私たちはこれらのリスクを理解し、一刻も早く対処しなければなりません。

マヤ、君の側でこの問題に立ち向かい、必要な支援を提供することが私たちの責任です」


教授は深く考え込んだ後、

強い認識を持つことの重要性を再確認しました。

「弱い者をいじめることは、人間として絶対に許されない」

この原則を根本において、どのような社会であっても、

いじめは決して容認されるべきではないという確固たる信念を持つことが不可欠です。

教授は、この考えに基づいて、いじめを徹底的に排除し、

その原因となる根深い問題に対処する方法を模索することを決意しました。

また、彼はいじめを認めないだけでなく、いじめを助長したり、

黙認したりする行為も同様に非難されるべきだと考えました。

マヤは教授の深い理解と真剣な対応に胸を打たれました。

彼女の心には、希望の光がほんのりと灯り始めました。

「先生、本当にありがとうございます。先生の助けがあって、

私は少し前向きに考えられるようになりました」

マヤは感謝の言葉を残し、教授のオフィスを後にしました。

その胸には、少しずつですが、前向きな気持ちが芽生えていました。