なるべく気楽に気楽に~!

紫音-sioto

精神的な疾患を持ってる私の気楽に気楽に生きたい願望です~!
ちょこちょこ愚痴も入りますが、嫌な思いをされる方がいたらすみません><

柔くしなやかな月の下で

自作小説

第十六章

朝、起きた時にはリム君はいつもの様にキッチンに立って、朝食を作ってくれていた。
「…おはよ」と寝惚けたままリム君へと声を掛ける。
「おはようございます!すずさん!」と何となく昨日キスを交わした様な彼はいつも通りだった。
「夢か…」ぼーっとしながら掛布団から出て、煙草へと手を伸ばす。
咥え煙草をし、頭を起こす事に必死になりながら、「リム君、ごめん…白湯入れてくれる?」と
お願いする。
「はい!寒くなってきましたもんね」そんな会話をしつつ、「ほんとだね…寒い」と
穏やかな会話が進む。
彼は私へと入れてくれた白湯を渡しに私の傍へと来て、「今日は曇ってますね…」とベランダを
見つめながら言った。
私も同じ様にベランダを見つめ、「雨でも降るのかな…」と煙草を吸ったまま答えた。
今朝は余裕のある時間帯に起きれた。
煙草を吸い終え、伸びをし「今日の朝ご飯は何作ってくれたの?」とにこやかに聞く。
「今日はですね…ポトフを作ってみたんです!」と、楽しそうに答える。
「へぇ…ポトフかぁ、良いね寒くもなって来たし、凄いじゃん」なんて笑顔で伝える。
「いつもありがとね、顔洗ってくるね」と彼へと言い残すと、「はい!待ってます!」と
笑顔で私を見ていた。
なんだかいつもより楽しそうだな、と不思議に思ったがいつもの事かな?と我に返り
洗顔をし、歯を磨いた。
出勤の日には必ず、鏡の自分へと「仕事だ」と言い聞かせている私だ。
自分自身の目を見つめ、「頑張れ、私」とエールを送る様に小さく呟き、リビングへと戻った私に、彼は「すずさん!凄い良いタイミングです!ナイスです!」等とお道化ている彼に
笑ってしまった私がいた。
「リム君って面白いよね」と言うと「そうですか?でも、楽しい方が良いじゃないですか!」と
またお道化た様に彼は言った。
「それもそうだね」と笑いながら答えると「さ、ご飯食べましょ!」と
ポトフを盛ってくれていた。
綺麗な彩のポトフは私の心を「幸せ」だと思わせてくれた。
朝食を済ませ、二人して煙草を吸う事にしたのだが、彼はいそいそと片付けを始める。
「…ん?」なんだか違和感でしかなかったが、気にする事でもないか、と
頭の中を「仕事」へと集中し始める事にした。
「先に吸ってるね」と伝え「あ、はい!」と返事をくれた彼に「ありがとう」と感謝し、
煙草を一本取り出し、火を点ける。
深呼吸をするかの様に、ゆっくりと煙を吸い込みまたゆっくりと吐き出す。
その繰り返しの中で「今日の仕事は…」と「普通の人」よりも劣っている私に出来る仕事を
考え始める。
一通りの仕事内容を思い出しながら、集中している自分に気が付いた時、
リム君は、私の隣へと座っていた。
「どしたの?」と彼へと尋ねると、「俺…ずるいですね…」と小さく呟いていた。
「すずさん、きっと覚えてないでしょ?」と私へと質問が来た。
何の事だかさっぱり分からなかった私に、「なんでもないです!煙草良いですか?」と
いつもの様に聞く。
「勿論」そう答え、「私、着替えて来るね」と立ち上がり、彼の頭を撫でた。
「…はい」なんだかいつもと違う感覚に何度もなりそうになる私だったが、
「仕事」への集中力は止まらなく、寝室へと戻った私は黒いパンツスタイルのスーツを身に纏った。さて、次はメイクだ、と寝室を出てメイクルームへと足を進める。
その間、彼は曇り空を眺めながら煙草を吸っていた。
ドレッサーへと向き合った私はいつも通りのメイクをする。
ブラウン系のアイシャドウ、そして余り色の濃くない口紅。
「よし、出来た」私は鏡の私を見つめ、「普段通り」と呟いていた。
「仕事モード」になった私は、メイクポーチを持ち出しリビングへと出た。
彼へと「リム君?今日はバイト何時までなの?」と疑問を投げかけた。
「あ!今日は十七時までです!」と答えてくれた彼へと「そう」と笑顔で「頑張ってね」と
声を掛け、メイクポーチを出勤用のバッグへと詰め込んだ。
「さてと、後一本煙草吸ったら私は仕事行かなきゃ」そう言って私は煙草へと手を伸ばす。
「あ、俺も良いですか?」そう問われ「うん」と答える。
今日は時間に大分余裕があったからか、ゆっくりと吸う事が出来た。
外を眺めていた彼が「…あ、雨降って来ちゃいましたね」と私へと言う。
「あ、ほんとだね」私は今日は雨かぁなんて思い、外を覗き込んだ。
ほんの少し静かな二人だけの時間が過ぎていた。
「あっ!すずさん!…今日はお弁当が作れませんでした…すみません!」と
両手を合わせて謝る彼に笑ってしまい、「全然大丈夫よ」と答えた。
「そろそろ仕事行ってくるね、私は多分二十時辺りまで仕事してくると思うよ」と伝え
「あ、はい!お仕事頑張って下さいね!」そう言ってくれた。
「行ってくるね」…「はい!いってらっしゃいです!」彼の言葉に励まされるかの様に
私は傘を持ち部屋を出て、仕事へと向かった。

  • .:*みん.:*

    .:*みん.:*

    2024/03/31 18:21:52

    リム君と一緒にいると心地よいのが伝わってきます
    相性が良いのでしょうね
    なんでも作れちゃうリム君すごいです!
    朝からポトフ いいなあ
    寒い時は温まりそうですね(*´꒳`*)