きゅっきゅ

八日目の蟬

日記

角田光代さん原作の映画、「八日目の蟬(セミ)」を観てきました。
この話は実際の事件に基づいているようですね。
実際の事件はもっとひどい結末だったようですが・・・

*以下ネタばれ注意です


物語のヒロインの1人は、永作博美が演じる希和子。
不倫相手に言葉巧みに堕胎させられたあげく子供が産めなくなった希和子。
夫の子を身ごもった不倫相手の妻は、希和子に追い打ちをかけるように堕胎したことをさげすみ、なじる。その言葉をきっかけに精神バランスが崩れていく。
やがて不倫相手の妻は出産するが、希和子はその子を一目見ればすべて吹っ切れると思い不倫相手の家に忍び込む。しかし希和子に笑いかける赤ちゃん(えりな)を見ると衝動的に連れ去ってしまう。その子を堕胎した子供に付けたかった「かおる」と呼び、3年半に及ぶ長い逃亡生活が始まる。

もう一人のヒロインは井上真央演じるえりな=かおる。
21歳の大学生になったえりなは親元を離れ1人暮らしをし、バイトで生計を立てている。
4歳で希和子が逮捕され本当の両親の所へ帰されたが、うまく親子関係を築けないできた。希和子との生活についてはほとんど覚えていない。懐かない娘に悩み、母親は精神バランスを崩している。
えりながかつての希和子のように、妻子ある男性と不倫関係に陥り身ごもってしまう所から物語は急展開を迎える。1人で産む、と決めるものの「子供の愛し方がわからないのに産んでいいのか?」と自問するえりなは、フリーライターと名乗る千草とともに、希和子との生活を追う旅に出る。

本当の母親のえりなへの言葉、「あなたに好かれたいの、どうしたら好きになってくれるの?」
希和子のえりなへの言葉、「一日でも長くかおるといたい、それだけが私の願い」

どちらの思いも伝わって、胸が痛くなる。
不倫も誘拐ももちろん許されることじゃないけど、希和子とかおるの生活はまさしく母娘のそれで、あたたかで、愛情溢れていて、逃亡生活ということを忘れてしまう瞬間があるほど。

タイトルの八日目の蟬とは、「七日間しか生きられないセミの中にもし八日目も生きていたセミがいたら、みんな仲間は死んでしまってすごく寂しいよ」というえりなに対し、
フリーライターの千草が「八日目も生きていられたら、そのセミはもしかしたら七日間で見ることのできなかった何かを見ることができるかもしれない」と言ったことから来ています。
タイトルが秀逸!


「母だと思っていた人は、私を誘拐した人でした」
衝撃のキャッチコピーは暗くて重い話を連想させます。
でも決して後味が悪くてバッドエンドだけの話ではありません。
希和子と本当の母の自分への思いをやっと理解したえりな。
ラストの言葉が未来への一筋の希望を綴ります。

久々にいい映画を観たなぁ♡

  • きゅっきゅ

    きゅっきゅ

    2011/05/10 18:56:22

    サブマリンさん。
    これはサブマリンさんじゃなくても
    男性が見るとちょっと複雑な気分になるかも。
    だって出てくる男性、妻子いて不倫して
    不倫相手が身ごもると逃げるっていうずるいタイプしか出てこないんですもん^^;

  • サブマリン

    サブマリン

    2011/05/10 13:24:20

    ほうほう・・・!難しそうなテーマだ。
    単純明快人間の私には・・・・
    めちゃ難しいかもw!

  • きゅっきゅ

    きゅっきゅ

    2011/05/05 20:33:02

    大黒さん。
    この場合、好きな人の子だからかなぁとも思ったけど
    それでも嫌いな女の子供でもありますしね。
    母性って何だろう。

    匁さん。
    テレビ版があったことを映画を見た後知りましたよ。
    壇れいさんが主役だったそうですね^^
    八日目の蟬、私も何かを見てみたいです。
    それがいいことでも悪いことでも。

    ロッテさん。
    お久しぶりです^^お元気ですか?
    褒めてくださってありがとうございます^^
    熱く語っちゃうくらいいい映画だったんですよ~!
    ぜひDVDになったら観て欲しいです♡

  • ロッテ

    ロッテ

    2011/05/04 15:25:04

    すごいレビューですね!すごく読み込んでしまいました!!
    私は映画館だと逃げ出せないので(笑)みれなさそうですが
    すごく深い題材の映画で興味がわきました^^
    ただ上手なレビューなのできゅっきゅさんの記事で満たされてしまったかもです////

  • 匁

    2011/05/02 08:48:48

    これ、ドラマで観ましたよぉ。
    映画の方が、しまる話かと。

    「八日目の蝉」・・・含蓄のあるタイトルですね。
    子供の頃、「死ぬの怖くない?」と伯母に聞いたら
    伯母いわく「周りの人がみんな死んで独りぼっちになったら死ぬのは怖くないよ。」
    「そうか。1人では生きられないのか。大人になれば答えがみつかるかも。」
    と子供心に結論を棚上げした記憶があります。

    千草が言うように、幸運にも八日目も生きられたら
    それは、、絶望的な孤独であることは紛れもないけれど、
    もしかすると、その中から別の何かも見いだせるかもしれない。
    いづれにせよ、八日目の蝉になってみたいと思った私でした。

  • 大黒

    大黒

    2011/05/02 01:13:22

    そうなんだ
    自分の子供を殺す親もいるけど
    他人の子供でも愛する人もいるんだよね