初恋の思い出
初恋の思い出というお題だが、どれをもって恋と言えばいいのか。
幼稚園の時、きれいな子だなと思った○君(名前覚えてない)か。
彼はあまりのかわいらしさに先生すらつい変なテンションになっていたような気がする。
どう考えても急に走ったせいでわき腹が痛くなっただけの彼を前に、「盲腸って右でしたっけ、左でしたっけ」とまじめな顔で話し合っていた先生方のことが忘れられない(もちろん彼は10分もすればけろっとしていたが、それにもみんなでほっとして、園長先生に叱られていた)。
それとも中学の時、初めてチューされた○君(これもどうしても名前が出てこない、どういうこった)か。
お互い図書委員だったので、1年近く図書室で会っていた。
けれどどうしても馴れ初めを思い出せない。
ついでに別れも唐突だった。
当時の私はスケ番連中に目をつけられていて毎日のように屋上だの何だのに呼び出される日常だったが、別れるちょっと前に「あんた、7組のFと付き合っているんだって」と言われたから(そうだ思い出した、F君と言った)もしかしてそっちから何かあったのかもしれないが、私自身に愛想をつかしたのかもしれない。
急に図書室に来なくなった後はクラスが違うこともあって話すことはなかった。
自分から「好きだ」と積極的に思った相手が初めてできたのは、なんと25の時だ。
理不尽なリストラにあった時、じゃあ100万の予算で行ける所まで旅しようと決心した後、体力づくりのためもあって山奥の保養所で3ヶ月ほど住み込みのバイトをした。
私が入ったとき、ちょうど前後して板長が変わったのだが、その新しい板長だった。
保養所なんて閉鎖空間で、右も左もわからない新入りはそこの流儀が判らないこともあり、最初の頃はいびりにあう。
新しい板長はその前にいた板長に比べ、意欲的ですごく仕事熱心だった。
けれどそれは板場の仕事を大幅に増やすことで、職場内でかなりつらい立場になった。
私は部屋係だったが、料理が好きだったので休憩時間に他の人がボイコットした仕事を手伝っているうち、連帯感が沸いてきたんだろうと思う。
愚痴を言ったり気弱になったりするのを叱咤激励しあううち、こいつ、好きだな、と思うようになった。
それが恋だったかと問われると正直?マークで一杯になってしまうのだが、今まであれだけ忌憚なくいろいろ話し合えた人間はいない。
私は中学時代の連日の仁義なき戦いのお陰で重度の女性不振に陥り、自分の女性という性すら否定を重ねていたのだが、あの頃「お前さん、いい女だな」と言ってもらったことが数年後己が人生に結婚という選択肢を付け加えることになったんじゃないかと思っている。
彼は私が仕事をやめる日、麓まで車で送ってくれ、最後に握手をしながら「俺は今まで女ってのはやるためだけのもんで、男女間の友情なんてありえないと思っていた。けどあんたに会って初めて下半身関係ない奴もいるんだなと思った」と言った。
赤裸々だな、おい。
そういうことで私の初恋? は破れた? のだ。
旅から帰ってしばらくして箱根に行くと、働いていた保養所はつぶれていたのでそれきり音信不通だし、いつも板長と呼んでいたのでこれまた名前すら思い出せないのだが(情けない・・・)、どこかで元気にやっていればいいなと思う。
glycogen
2010/09/29 15:41:33
のめさん
恋するっていいもんだったな、と書きながら懐かしく思い出しました。
お読みくださり、ありがとうございます♪
のめ
2010/09/29 09:08:11
やっぱり初恋は美しい思い出だと思います。
破れようが破れさせようが、人間形成に大きな影響を及ぼしていることが伝わってきます。
ステキなブログ記事ですね♪
glycogen
2010/09/27 22:57:20
キナコさん
名前が思い出せない同志がたくさん見つかり、嬉しいです^^
恋愛遍歴のあまりのなさに愕然としますが、まあこういう人生も私には、ありです。
キナコ
2010/09/27 21:42:08
色んなことがあって、めぐりめぐって
“今”があるんですね~。
良いブログを読ませていただいてありがとうございます。
ちなみに…私も人の名前思い出せなかったりします。
あんなに仲が良かったのに…^^;。
glycogen
2010/09/27 21:07:02
わかばさん
ほとんど恋愛に生きていなかったもので、お恥ずかしい^^;
ジョバンニさん
せめて板長の名前くらい覚えていたかったものですが、まったく思い出せません。
家庭円満のためにいいと思っておきます^^;
ジョバンニ
2010/09/27 20:35:45
顔は覚えてるんだけど名前が出てこないってありますよね…(^-^;
わかば
2010/09/27 18:57:44
すごい!
初恋も波乱万丈ですね。^^