まず、熱いシャワー…
夜10時、
外気温3度、
ビル風のため、
体感温度0度の場所から、
なんとか「生還」。
まず、熱いシャワー…。
指先がかじかんでいる。
次に、お酒。
冷蔵庫にワインが余っていたはず…。
そして、おみやげにもらったケーキ。
野宿者に配ったケーキ。
少し多めに作ったので、
そのお裾分け。
ケーキを口に運ぼうとして、
ポロリと落とす。
まだ、指先がしびれているのだ。
でも、それがどうしたというのだろう。
わたしには帰る家がある。
熱いシャワーも、
ワインの入った冷蔵庫も、
暖房の効いた部屋もある。
あの人たちはまだ、この寒空の下にいる。
明日も明後日も、正月もいる。
自分の体温以外、
なんの温もりも持たずにいる。
なにかおかしい…。