運動会シーズンである。
夏休み前から今の時期にかけて、小学校に水筒を持参していいことになっている。
脱水症予防のためで、中はお茶か水と決まっている。
よく動く下の二人も毎日水筒を持参していたのだが、この頃次男が「水筒いいや」と言うようになった。

よく動くのに。
毎日水筒を出すのを忘れて朝になって慌てて洗っているから、面倒になったのかな。
と思って聞くと、水道の水が飲みたいのだと言う。

中休みに遊んで、汗をかいて、水場に行く。
水筒を持っている子ばかりだから、水場は空いている。
蛇口を上にして、勢いよく水を出す。
しばらくはぬるい。
お湯みたいなので顔や手を洗いながら、待っていると、真打ちがやってくる。

冷たい水。
水道の水は、甘いのだという。
水筒のように氷が入っていないからすごく冷たいわけじゃない。
でも、冷たくて甘くて、体にしみこむのだという。

「本当にねえ、甘いんだよ。砂糖の味じゃないけど、甘いんだ」
と言う次男に
「私も子供の頃、甘いと思ってた。おいしいよね」
と答えると、にっこりしていた。
よく動いて、勢いよく水場まで走って、蛇口を大きく開ける。
カルキは、とか高架水槽からの水は、とかと関係なく、学校の水道の水はおいしかった。