安寿の仮初めブログ

安寿

これは、ニコットタウンに現れた安寿の仮想ブログです。

安寿、「ドイツの角」の先っぽへ

レジャー/旅行

コブレンツは、フランスに源を発するモーゼル川とライン川の合流地点。
ですから、昔から交通の要衝で、モーゼル・ワインの産地でもあります。

なぜモーゼルワインは圧倒的に白ワインが多いのでしょうか。

それはドイツの日照時間と関係しているらしく、
赤ワイン用のブドウは日照時間が短いため、
色が薄くなってしまうんだそうです。

ですから、白ワイン用のリースリングという種類が
多く生産されています。

でも、そんなに日が短ければ、
白ワイン用のブドウも育たないんじゃないかと思うのですが、
ライン川・モーゼル川沿いの斜面に栽培されたブドウは、
川面からの反射光を受けることができ、
しかも、川から立ち上る霧のせいで、
夜中から明け方にかけての寒さから免れることができるそうです。

すでにライン川沿いの街に滞在して2週間近くになりますが、
確かにこの地は明け方、濃い霧や小雨がぱらついていることが多く、
午後になると天気が回復してくるようです。

さて、コブレンツ。
この街は、ですから川沿いに広がる細長い街でした。

暗くなる前に、
ホテルでもらった地図を片手に、
コブレンツの街歩きに出発。

おそらくこちらの方がコブレンツのメイン通りだろうと思って歩くと、
果たしてその通りメイン通りに出ました。
自ずと繁華街の方へと流れていく私の野生のカンがおそろしい…  ☆\(ーーメ

この街はライン川観光の下流の出発点ですし、
実際、観光客が喜びそうな、可愛らしくてこぢんまりとした街。
教会と広場、そしてその広場を取り囲んで、屋外に席を並べるレストラン。

地図とにらめっこし、
何かありそうな細道を見つけては入り込むことを繰り返しながら、
ライン川クルーズの船の発着場がある川沿いの公園へと向かいます。

そして、その公園へ辿り着いてみれば…、

  おおおお~~~、
  ライン川の対岸、
  そそり立つ岩場の上には、
  夕陽に映える古城が聳えている。

  いかにもドイツだああ~~~  ☆\(ーーメ 当たり前です。

そして気がついたこと。

コブレンツの街だけでなく
ライン川沿いの街は、
ライン川に面している側が表玄関、
つまり、主だった建築は川の方向にその正面を見せているのです。

ですから、川から見た時、この街は見栄えするようにできているのです。

さて、ドイツとモーゼルの合流地点は、
ドイチェ・エッケ、つまり、「ドイツの角」と呼ばれます。

なんのことはない、
モーゼル川とライン川が鋭角で合流しているので、
合流点の砂州が鋭角に尖っているわけで、
その砂州の上にちょっとした公園が整備されています。
そして、この公園から対岸の古城が立つ岩山へ、
川を渡りつつ登ることができるゴンドラ・ロープウェイが運行されています。

もう夕方ですから、ロープウェイの運行は終わっていましたが、
おそらくその古城から見下ろすと、
きっとこの合流点が、牛の角のように、
カーブを描きながら尖って見えるのでしょう。

ともかく公園の先端、「ドイツの角」の先っぽに辿り着いてみれば、
ライン川から西へと向かうモーゼル川、
そのモーゼルの川沿いに広がるコブレンツの街
そして街の向こうに広がる丘の上には、きれいな夕焼け。

この夕暮れの中を、
貨物船がゆっくりとフランスの方へ遡っていって…

  う~~~ん、絵になります。

夕焼けに暮れなずむ街と川を見ている内に、
あたりは次第に暗くなってきたので、
人気の少なくなってきた公園から中心街へ戻ろうと、
再び川沿いの公園を歩いていると…

  …対岸の古城の上には、あらま、満月…  
  
  まるで「荒城の月」です。   ☆\(ーーメ
  しかも、月の明かりがライン川に落ちて、
  ゆらゆらと輝いている。

    ドイツ・ロマン主義ですね~  ☆\(ーーメ

しばし、月を一人で眺めていたら…、

突然、にこやかにドイツ人が話しかけてきました。
「やあ、いい月ですね」とか言っているようなんですが、なんだかあやしい。
そして、おもむろに取り出したのは、宗教勧誘のパンフレット。

一人で薄暗い公園を歩き、
川沿いの手すりを握りしめながら月を眺めていたので、
「自殺願望の女…」とでも思ったのでしょうか。

しかし、宗教勧誘の人は、
どこの国でも独特の妖しいオーラを放っているなあ。

宗教関係者は、自分たちが、
外国人でさえも妖しいと思うような独特のオーラを放っていることを
まず自覚すべきなんではないかと…。  ☆\(ーーメ

さて、中心街に戻ろうとして…、

  …案の定、道に迷いました…  ☆\(ーーメ

通りの名前と地図をにらめっこしながら歩いていたんですが、
暗くなってくると方向感覚がなくなってくるので、
同じ広場になぜか何度も戻ってきてしまい?????

街角の人に地図を見せて、
「すみませんが、ここは何処ですか」と聞けば、
何のことはありません。
中世の都市のように通りが曲がっていたので、
90度方向を間違えていたのでした。

ともかくも現在地とホテルへの帰り道を確認して、
街の中心広場にあるレストランへ。

Extra Blatterというcafeで、
フィットネス・テラー、つまりダイエット向けのメニューと
ケルシュ・ビールを頼んでみました。

ケルン地方の地ビールを、ケルシュ・ビールと言うようです。
ですから、それを試してみたのですが、
でも、味の違いがよくわからない。 ☆\(ーーメ

フィットネス・テラーは、
大きなお皿の半分を占めるサラダと
大きなポテトの上にクリームチーズタイプのソースがかかっているという、
とてもフィットネスとは言えないような料理。

でも、肉類がないから、
ドイツ人にはきっと「フィットネス」なのでしょう。
私にとっては、量が多いベジタリアン・メニューです。

そもそもドイツのレストランで出てくる料理は、
その量が半端ではありません。
この量で食べ続けたら、私なんぞ、
すぐにドイツ人のお腹になってしまいます。 ☆\(ーーメ

チップを含めて、13ユーロ。

9時近くになってきたので、
これでホテルに戻りましょう。
明日はいよいよライン川クルーズだし…。

そして、ホテルに戻る道で見つけてしまった懐かしい人たち。

  綾波さん、シンジくん、アスカさん、
  いや~、こんなところでお会いするとは…

そう、
『新世紀エヴァンゲリオン』のゲームかDVDの販売なのでしょう。
3人の大きな垂れ幕がビルからドンと張り出していたのでした。

  コブレンツも、すでに使徒の侵入を許してしまったか…    ☆\(ーーメ

  • 安寿

    安寿

    2012/10/14 02:25:02

    >Luciaさん

    あ!
    今、私のクラスに、
    スイス在住のイタリア母語という人がいます。

      一番、元気なおばさんだったりする…  ☆\(ーーメ

    スイスは四言語が混在しているから、
    スイス人同士、
    ある程度まではフランス語やドイツ語が話せるんでしょ…

    …と思いきや、
    この方のように、
    わざわざドイツに来て、ドイツ語を習っている。
    この方、スイスの学校で英語の先生しているのに…。

      言葉の壁はかくも厚いのでした。

    Luciaさんも、日々苦労しているのだろうなあ…。


  • Lucia

    Lucia

    2012/10/13 05:07:55

    スイスとの国境は、国が違ってもイタリア語圏だから
    「トンネルを抜けるとそこは言葉が通じなかった」
    と言う経験は未だ無し

    一度、スイス国内を鉄道で移動している時
    イタリア語圏からドイツ語圏に入ったとたん
    車掌さんが巡回する時の使用言語が変わったのに
    ビックリしたことがあるわ。
    同じ人なのに......

    日本でも車内アナウンスが
    いきなり標準語から関西弁になったりしたら。。。。
    楽しいかも~wwww



    スイスとイタリアでは
    昔からガソリンの値段の違いが有名。

    国境近く(コモ、ヴァレーゼ等)の住民は
    スイスにガソリンを入れに行くらしい
    そして満タンで帰ってくるの....





    日本の丑三つ時に
    コメント返事があるのを見て
    私も、「安寿ちゃん、欧州にいるんだな~」と感じます。(笑)

  • 安寿

    安寿

    2012/10/13 04:45:14

    >Luciaさん

    私が夕方、ブログに文章を乗せても、
    時差がある日本は、丑三つ時。

    それに対して、
    現在時差のないLuciaさんは、
    真っ先にコメントを寄せてくれる。

    それだけで、なんかお側に来た感じがします(笑)。

    私も川向こうがすでに異国、
    言葉が通じないという感覚を
    ドイツとポーランドの国境で味わいました。

    川向こうに市がたっているみたいなので、
    橋を歩いて渡ってみたら、
    そこはすでにポーランドでした。

    そして、次々とかかる「Zigarette?(たばこ)」の声。

    つまり、ポーランドとドイツでは、
    たばこにかかる税率が違うらしく、
    ドイツ人が車でこの市まで買い出しに来ているのでした。

    道理で橋のドイツ側に税関の車が停まっていたわけだ。
    100m程度の川が、そのまま国境だったのでした。

    こうも異文化・多言語が混在していると、
    自分の慣れ親しんだ文化圏だけで過ごしていた方が
    本当に気楽なような気がします。

    ついつい保守的になってしまうんですね。

    その点から言えば、
    他者・多文化に向けて常に開かれていようとすることは、
    現実には、とてもタフな心身と
    くじけないエネルギーを必要とするのだなと思います。

  • Lucia

    Lucia

    2012/10/13 04:17:41

    川の向こうは別の国って、不思議な感じがします。
    対岸(隣国)が常に見えている状態。。。。

    スイスとの国境は、むか~し、数回通ったことがあるけれど
    高速道路の料金所と変わらず
    何の感慨もなかった。。。。
    カジノに行ったの (^▽^)