安寿のライン川クルーズ紀行 その2
続きです。
天気が回復してきたライン川クルーズ!
やった~~!
後で気がついたんですが、
このライン川沿いの地方は、
この時期、水温よりも外気の方が寒くなることがあるので、
午前中はライン川から立ち上る霧で、
曇り空になってしまうことが多いみたいです。
ボッパルトから乗船したたくさんの乗客たちも、
これ幸いと、私の左右前後に籐椅子を並べて、
日差しと川風を受けてのライン川クルーズ三昧。
そして、周到に用意したはずの私は、
ここになって初めて忘れ物に気がついたのでした。
日焼け止めクリームを持ってくるの忘れた… ☆\(ーーメ
この船の甲板は、野外展望用に作られていますから、
当然のことながら日よけなんて何もありません…。
しかも、日差しがかんかんと照りだすと、
私の服装ははっきり言って暑い。
ボッパルトから乗り込んできたドイツ人なんて、
Tシャツ姿になってますもん。
毛糸の帽子を脱いで、手袋外して、ライトダウンをしまって…
5枚も重ね着している私は、
3枚へと身軽になって再び船の舳先へ。
そして、天気が良くなると…、
いよっ! 待ってました!!
ライン川の沿いの古城たち。
つまり、古城といっても、いくさのためというわけではなく、
これは、はっきり言って、当時の貴族の別荘です。
もちろん城ですから、
絶対王政の頃、国王たちがしのぎを削って攻め滅ぼされ、
そのまま廃墟になっている城が多いのですが、
しかし、この城の造り、この規模の小ささは、
すぐに攻め滅ぼされても仕方がないような気がします。 ☆\(ーーメ
城の防御なんて言う問題よりも、
ライン川を高台から見下ろす景観が欲しかったのよね、当時の公爵、伯爵さま。
さて、ローレライ。
ご丁寧にもローレライの岩場にさしかかると、
船はちゃんとローレライの音楽を流してくれます。
岩場自体は、たいしたことはありません。
「ここがそうですよ」と教えてもらわないと
気がつかずに通り過ぎてしまうと思います。
ですが、ここがライン川の難所であることは、よくわかります。
だって、ローレライのあたりは川幅が狭まっているだけでなく、
川の真ん中に岩場がありますもん。
ローレライの伝説は、
ライン川を行き来する船長が、
座礁してしまった責任を言い逃れるために、
いや~、岩場の上に美人が立っていたもんで…
と、実にありきたりな嘘を数多く重ねた結果なんではないかと… ☆\(ーーメ
クルーズ船を座礁させたイタリアの船長は、
これからなんと言い逃れることやら、
その嘘の巧妙さ、もっともらしさを
密かに期待している安寿がいます。 ☆\(ーーメ
そして、ここから先は、古城が連なります。
ですから、ライン川沿いの古城は、
やっぱり戦争用ではなく、別荘なのです。
おおお~、これが通称、ネコ城。
そう言われてみれば確かに、
二つの塔がネコの耳に見えます。
(言われないと、そうは見えないけど) ☆\(ーーメ
あるいは川の中州にも城が建っていて、
これは川を行き来する船から、
通行税を取るための城だったとか…
せこいぞ、ドイツの王様! ☆\(ーーメ
そうして、ビンゲンという船着き場を過ぎると、
今までの峡谷を遡っている感じがなくなって、
広々とした大地をライン川は再び流れるようになります。
そして、このクルーズも、ビンゲンの一つ先、
リューデスハイムという、とても可愛くて、
ですから、外国人観光客で溢れている、
もちろん、日本人観光客も大挙している街に着いて、
今回のクルーズは終了です。
うへぇ~、6時間もの間、
甲板上の舳先で眺めを堪能しただけに、
疲れた~~!
さて、上陸して、まずは今日の宿にチェックイン。
リューデスハイムという街は、
ライン川沿いに開けていますので、
ちょっと川から上の方にある今日の宿は、
坂道を、トランクを押して歩かなければなりません。
とはいえ、すぐに宿は見つかり、チェックイン。
荷物を置いて、すぐにリューデスハイムの街歩きへ。
この街の川沿いは観光の街。
山の斜面は、ブドウ畑。
で、街の真ん中からブドウ畑の丘の上まで、
観光用リフトが走っていますので、
それに乗って丘の上に。
丘の上には、
ライン川からもしっかり見えたゲルマンの女神像が建っています。
ここから見下ろせば、
眼下のリューデスハイム、
ライン川対岸のビンゲンの街、
もちろんライン川を行き来する船、
そしてドイツ南部に広がる広大な平野が一望できます。
丘からリューデスハイムの街までは、一面がブドウ畑。
ここがドイツワインの一大生産地であることがよくわかります。
眺めを堪能した後、
再びゴンドラに乗ってリューデスハイムの街に戻り、
つぐみ横丁という、ワイン酒場やみやげ物屋が軒を連ねる一角に入り…
あ、今年収穫した発酵途中のワインの試飲…
小さなコップだけど、1ユーロ。
これは飲んでおくべきでしょう。 ☆\(ーーメ
…で、飲んでみました。
ブドウ酒のどぶろくと思っていただければ、
当たらずといえども遠からず。
フルーティで美味しいですが、
このまま飲み続けていると、
口当たりの良さから、とんでもないことになりそうなので、
もう少しリューデスハイムの路地を迷ってみることに。
とはいえ、
この街は小さな街ですから、
2時間もあれば、主だったところは一通り巡ることができます。
特に観光客がこないような細い路地を探り当てて、
歩き回ってみるのがおすすめ。
この街はライン川の方向に街全体が傾斜しているので、
迷うと言うことはありません。
坂の下の方に行けば、必ずライン川に辿り着きますから。
さて、日も沈みかけたので、今日の夕食。
可愛い感じのレストランがあったので、
ウェイターさんに「テーブルに着くことはできますか」とドイツ語でたずね、
おおお~、私のドイツ語が通じている… ☆\(ーーメ 通じんでどうする。
席に案内されて、メニューとにらめっこ。
まず、リースリングというこの地の特産の白ワインと
シュバイネブラーテンという料理を注文。
シュバイネブラーテンは、直訳すれば「焼豚」なんですが、
ドイツの「焼豚」は、日本の「焼豚」ではなく、
ポークソテーですらなく、
ポークのデミグラスソースによるシチューみたいな料理です。
最初は焼いたのかもしれませんが、
その後、ソースの中で煮えて柔らかくなってます。
それにサラダとジャガイモの団子みたいなものがついて、
ワインをおかわりして、15ユーロ70セント。
ですから、チップ込みで17ユーロを支払って、ごちそうさま。
あああ~、遊んだ~。
さて、明日はドイツ語学校に到着して、
手続きを済ませ、寮に入り、
明後日からの授業に備えなくてはなりません。
ということで、ちょっと真面目モードに移行します。
安寿の、女一人でドイツ・サバイバル紀行、
お楽しみいただけましたでしょうか。
この次は、
ドイツ南部の学校からドイツ北部の学校に移動する間の、
旅行記を報告の予定ですが、
予定はすべて未定です。
悪しからず… ☆\(ーーメ
安寿
2012/10/22 05:04:49
>Luciaさん
ドイツもやたらと銀行が多いけど、
他にも、薬局がなぜか多いんです。
それもドラッグストアみたいなものではなく、
小さなお店が。
あと、アイス屋(笑)。
立ち飲みのBarみたいなものは、あまり見ませんが、
広場に行けば、必ず屋外のテーブル席が並んでいて、
ケーキもコーヒーもビールも、なんでもござれです。
でも、今日は寒かったから、
屋外の席は閑古鳥がないていましたが。
教会は、ほんとに町内会に一つですね。
教会だから、教区に一つなんでしょうけど。
ドイツの教会もいろいろです。
ケルン大聖堂は、ゴシックだけど、
この前行った、スパイヤーという街にあるカイザー・ドームはロマネスク。
今日訪れた、司教さまのレジデンツは、バロック。内装は、ロココ。
なんでもあれって感じです。
でも、私が今住んでいる通りの角にある教会は、煉瓦造り。
それでも煉瓦にツタが絡まって、
それが今、赤く紅葉しているから、
良い感じを醸し出してます。
バイエルン地方は、カソリックの人が多いです。
今の教皇も、バイエルン地方出身の方ではなかったかしら。
ケルン大聖堂もカソリックらしいし。
カーニバルが盛んな地方は、(例えばケルン、デユッセルドルフ)は、
カソリックの影響が強いみたいですよ。
Lucia
2012/10/20 06:32:01
そうね。
イメージ的にも、ドイツも教会が多そうだもの。
ドイツでも町内会に最低1つ、みたいな感じ??
ドイツの教会というとイメージするのはゴシック様式のガッチリした建物。
お城もそうだけれど。 実際はどうなのかしら?
ドイツだと主にプロテスタントよね。
牧師さん達は家庭持ち?
結婚できるのよね?
イタリアの「犬も歩けば...」シリーズ
他には
- 銀行
- Bar
教会の方が大きい建物だから目立つけれど
実際の数は、こちらの方が多いかも。。。。
安寿
2012/10/20 05:52:39
>Luciaさん
この前、私のいる学校で、
ライン川の支流のネッカー川をクルーズする企画があったので、
参加したんですが、
船から下りた街には、
現役で人が住んでいる古城が一つ、
廃墟となっているけど、
公園として整備されている古城が二つ。
ちょうど日曜日だったもので、
小雨がちらつく、あまり良くない天気だったけど、
たくさんのドイツ人がヴァンダルング、
つまり、遠出の森歩きに出かけてきておりました。
ライン川もネッカー川も、
川沿いの小高い丘の上には、
すぐに次の古城が現れ、
中には古城ホテルとして営業しているものも…。
最初の内は、
「おお~、古城だあ、かっこいい~」と
カンドーしてたんですが、
こうも古城が多いと、
だんだん有り難みに欠けてきます。
「犬もあるけば、教会にあたる」のは、
ドイツも同じです。
今、私のいる学生寮から100mも離れてないところに教会、
今日歩いてきたライン川沿いの遊歩道の途中にも教会、
大学の目の前にも教会。
大学の中にも礼拝堂。
そして、安寿は、
日本人の牧師さんにまで、
ドイツの地方都市で当たってしまいました。
かくの如く、
教会と日本人はヨーロッパの至る所にはびこっております。
その牧師さんに聞いたところ、
ドイツの教会は、日本の神社・仏閣と同様に、
誰も神主・住職がいない、休眠化している宗教法人が多いそうです。
でも、
「あの教会は鐘がちゃんとなっているから、
神父さんか牧師さんがいるんじゃないですか」
と牧師さんに尋ねてみたら、
教会の鐘の多くは、もはや全自動の機械仕掛けなんですと…。
信仰の本家本元の地は、結構手抜きなんではないかと… ☆\(ーーメ
Lucia
2012/10/20 05:09:28
大陸は雄大だなぁ
半島はココまでの河ってないもの。
上部がくっついていることを除けば
日本の本州みたいなもんだもんね。
そうか、ライン川沿いは
「犬も歩けば古城にあたる」
なのね
イタリアは
「犬も歩けば教会にあたる」
だな