痔の手術(赤裸々注意)4
やはり誰かに紹介してもらおうというのが甘かった。
自力で調べなくてはならないのだな。
と腹をくくり、ネットで調べた。
最初からこうすべきだったのに、何で遠回りしていたんだか。
やはり私はまだまだアナクロ人間なのだろう。
近場がいいなと思って探す。
隣の市にそれなりの実績がありそうな所があったが、どうやら7日くらい入院しないといけないらしい。
え、マジかよ。
そんなにかかるのか。
そういえば父も昔それなりに入院していたけど、その間の家族の食事をどうすればいいのか。
でももうなんだかいろいろ限界だし。
日帰り手術なんてできないのかな。
と探していると、あった。
日帰り手術のできる、しかも実績多数。
内視鏡健診と痔の手術に特化したような病院が、同じ県内に。
ああ、きっとあの先生もその先生も、この先生を探せと言っていたのだな。
値段も安い。
日帰りだから手術費用3万円代、事前に内視鏡検査が必要だが、それや術後治療を入れても全部で5~6万円くらいだろう。
横浜線鴨居は片道1時間ほどかかるが、安いのと実績多数と日帰り手術は魅力だ。
1週間もの入院なんて、仰々しすぎてとんでもない。
病院は、ららぽーとの中にあった。
駅から一番遠い側だ。
予約や紹介状なしでも大丈夫というHPの言葉を信じ、9時前に入る様がんばったが、満席に近いくらいの人がいた。
問診票に手術希望の旨を書く。
先生は思ったよりお若かった。
内診しながら「確かに手術が必要ですね」とか「大丈夫、日帰り手術できますよ」とか言い、今の状態を図に書いてくれた。
色々つながっているけど大きく数えて3カ所、全周にわたって患部有。
それでも手術自体の時間は15分程度なのだという。
つい半年前に別の病院で内視鏡検査をしているのだが、こちらでもしないといけないとのこと。
検査には熟練が必要だし、診る者によって他の病気が見つかったりするから、ということだった。
正直検査費用がもったいないと思ったが、商売もあるだろうし、検査なしですぐ手術と言うのも無責任極まりない話なのだろう。
3日後に検査の空きがあったので入れてもらったが、この検査、前日夜から食事制限があるので要注意だ。
すっかり忘れて適当なものを食べてしまう所だった。
前日は野菜抜き、海藻抜き、乳製品抜き、鶏肉以外の肉も抜き。
繊維などが大腸に絡んでいると検査が正確にできない為らしい。
野菜たっぷりの夕食を作り終えてから翌日検査だと気付き、泣く泣く飯ばかりをかっ込む。
それから2種類の下剤を飲み、就寝。
翌朝までに何度便通があったか書けと言われているが、寝てしまえば便通など関係なく熟睡してしまうのだった。
翌朝は絶食しつつスポーツドリンク状の薬2リットルを飲まねばならない。
水を入れると瓶状に膨らむ袋の中にスポーツドリンクの粉末みたいなのが入っているので、それを水で溶かし、前日から冷蔵庫の中に入れておく。
どこか気持ち悪い味がするので、冷えていないと飲みにくいのだ。
前回の検査でもこれには苦労したのだが、今回の方がほんの少し飲みやすい味だった。
それでも時間内に飲みきるのはつらくて、最後は一気飲みしてはトイレに通う。
便は最終的に小便と同じ色にまでなった。
出てくるのは、ただの薄黄色の液体だ。
検査は2時からだったけど、1時間前には着かなくてはならない。
便の状態を看護師に見せ、それからベッドで点滴を受ける。
脱水症予防なのだろう。
検査に入る直前に点滴に麻酔を入れられる。
痛みを逃がすためだというが、点滴の管から熱いものが入ってきて、ベッド毎検査室に入ったと思った数瞬後に眠り込んでいた。
気が付くと、また待機室の中。
ううん、大腸の中を見損ねた、と残念に思っているところに看護師が来て「起きられましたか」と言った。
先生の説明は簡素で、質問をまとめて行けば答えてくれるのだろうが、そうでなければ2分くらいで終わってしまう。
手術前の準備や薬の説明は、看護師の役目だ。