さよならハンブルグ、さよならドイツ
今日がドイツ語の授業の最終日。
しくしくしく…。
でも、楽しかった2ヶ月間でした。
反省点はたくさんあります。
文法は良くできるのに、なんでこうも話せないのか、聞き取れないのか。
咄嗟の会話の瞬発力に欠けるのです。
単語が出てこない。
ともかく話そうとすると、メチャクチャなドイツ語になってしまう。
日本に戻ったら、
使える表現パターンを増やし、
実際に会話練習をしなくては…。
でも、不思議なのですが、
なんであれだけペラペラと話せるクラスメートが、
文法となると駄目なんだろう。
あなた、ちゃんと話しているじゃない!
…と思うのですが、
それは日本語を話せる人に日本語の文法の規則を尋ねても、
ちゃんと答えられないのと同じように、
(…答えられますか? )
身についていても知識として整理されていないのです。
私の場合は、知識として整理されていても、身についていない。
ですから、これから先は、身につける練習をしなければいけないなと思います。
とはいえ、ハンブルグの4週間は楽しかったです。
それは、レベルを落としたために、
私にとっては、すでに習ったことばかり。
ですから、多少なりとも余裕の4週間でした。
マンハイムも、同じレベルだったのですが、
しかし、マンハイムのクラスは医者や研究者など、
知識人ばかりで私にはきつかった。
その点からすると、ハンブルグの4週間は気楽でした。
これは街の性格から生じている違いなんではないかと思っています。
マンハイム、そしてその近隣に位置するハイデルベルグは、
学究都市という感じです。
なにせハイデルベルク大学はドイツ最古の大学で、
最初は神学から、その後は多方面に専門分化していったらしく、
物理学の分野を中心にノーベル賞受賞者がじゃらじゃら。、
マンハイム大学は医学や薬学で有名らしいのです。
ですから、医学・薬学・物理学関係の知識人が、
マンハイムに集まっていても、おかしくないのです。
一方、ハンブルグは、
ドイツ最大の貿易港を持ち、
経済分野では、首都ベルリンを凌ぐ商業都市です。
ドイツの地方都市のような落ち着いた感じはなく、
日本の大都市の繁華街にいるかのような、
よく言えば、活気がある、
悪く言えば、常に動き続けていて、わさわさした感じのする大都市です。
関東圏に居住している安寿から言えば、
ちょうど大阪で生活しているかのような感じです。
土地勘のない異郷なのですが、
このわさわさ感にはどこかしら馴染みがあります。
ですから、
ハンブルグでドイツ語を習おうとする人は、
マンハイムとは動機が違います。
マンハイムは、
これからドイツにおいて英語で研究生活をしていくのだけど、
ドイツで生活する以上、ドイツ語も必要…
という動機でドイツ語を勉強している人が多かったような気がします。
ですが、ハンブルグでは、
まずもって就職、
ドイツ社会でいかにサバイバルしていくかが、ドイツ語を学習する動機のすべて。
そう言っても過言でない人が少なくありませんでした。
ある意味、生活を抱えているから平然と遅刻してくるのですが、
同時にテストとなると、カンニングしてでも潜り抜けようとする逞しさ(?)があります。
また、ドイツ人と結婚して、
これから長くドイツ社会で生活していく人が多かったのも、
ハンブルグの特徴でした。
つまり、ハンブルグは世界に開かれた貿易港であるだけでなく、
多くの外国人が、なんとかドイツで生活していく上での手掛かり足掛かりを見つけたいと
四苦八苦している街でもあります。
ですから、知識人と言うよりも、
ドイツ社会の中での仕事と自分の居場所を求め、
仕事と生活に必要とされているドイツ語を求めている…。
そういうクラスメートが多かったのでした。
特にユーロ危機の影響でしょうか?
スペインから来た学生が多かったですし、
イランや内戦状態のシリアから来ている学生もいました。
彼/彼女たちは簡単に故郷に帰れないと共に、
ドイツで生きていくことにも多くの困難が伴います。
とても気持ちの良い人たちだったのですが、
彼/彼女たちに付きまとうレッテルが、
常にその未来に影を落とし、
自由に飛翔させることも許さない。
それでも、
なんとかやりくりした時間の中、
授業に出てくるのは、
教室こそが彼/彼女たちにとってのドイツ社会での足掛かりであり、
同時に、母国を離れた外国人たちのコミュニティでもあるからです。
そういうコミュニティの一部に座り続けていたことは
今回、私にとって大きな収穫でした。
「Anjyu~? なんで、こうなるの?」
文法だけは、
何故かよく出来る私は、
テストの直前やテストが返されると、決まって質問攻めに遭うのでした。
「だから~、
この前置詞の後ろは間接目的語になって、
この単語は女性名詞だから、こう変化するの!」
困ったもんだと思うことなかれ!
異国において母国の異なる外国人同士が
助け合って生きていくのは、こういうことの積み重ねなんだと思います。
聞けるし、話せるけど、文法問題が出来ない外国人と、
文法問題は分かるけど、聞けないし、話せない外国人の私は、
こうやって授業の中でフォローし合いながら、
ドイツ語の授業を、
ひいてはドイツ社会の中を
なんとかサバイバルしてきたし、
これからもサバイバルしていかなければならないのです。
…というハンブルグでの、そしてドイツでの生活も今日でおしまい。
明日は、来た道を戻るようにして、
ハンブルグ中央駅より特急に乗って、
フェリーでバルト海の海峡を渡り、
デンマークのコペンハーゲンに戻ります。
予備日として取っておいた一日をデンマークで過ごし、
24日に帰国、日本に着くのは25日になります。
ハンブルグでは、
ドイツの歌舞伎町レイパーバーンでも、
市庁舎前の広場でも、
駅前近くの広場でも、
クリスマス市の屋台が設置されていました。
デパートの中も、
歩行者天国でも、
クリスマスのディスプレイがすでに用意されています。
おそらく私が帰国する24日から1ヶ月間、
ドイツはクリスマス・シーズンとなり、
各所でイルミネーションが輝くのでしょう。
それを見られないのはちょっと残念ですが、
しかし、また来ることになるでしょう、ドイツへ。
ここまで勉強したからには…。
そう思って、今回の安寿のドイツ行も、まずはこれまで。 (ちょーん!)
お開きに致しとう、ございまする。 <(_ _)>
(デンマークでアクセスできるかどうかわからないので、
次のアクセスは、帰国後になりそうです)。
あるる
2012/11/23 21:19:19
お疲れ様でした^^
ブログを拝見させていただき
いろーんな街を私も楽しむことができました^^
帰国したら しっかり体を休めて また次の出発までにエネルギーをためてくださいね^^
Lucia
2012/11/22 05:51:23
2ヶ月間、グレーな空の下でのお勉強
お疲れ様でしたっ!
きっと東京の空はもの凄く明るく感じるのだろうな
会話と文法って、ある日、突然、ポーンと融合するのよ
私はそうだった
ただ、イタリア語は例外がありすぎて。。。。(T_T)
うちの夫は時々、とんでもない間違いを平気でするし (^_^;)
最後まで問題が残るのは前置詞と冠詞の有無
単数と複数の使い分けもそうね
日本語の感覚にはないし、
理論的にも処理できない場合があるし
(ドイツ語は理論的に処理できるらしいけれど)
未だに不安になると、子供達に確認している (+。+)
Gute Fahrt !!