尼寺へ行け! デンマーク・クロンボー城探訪記 1
11月24日、デンマークのヘルシンゴア、
クロンボー城の訪問記を今頃になってようやくアップします。
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この日は、コペンハーゲンのさらに北。
ヘルシンゴアという街にあるクロンボー城を見学してみることにしました。
シェークスピアが悲劇『ハムレット』を書く際、
着想のヒントを得たのがこの城です。
この城には、Amleth王子という人物が実際に存在したそうで、
シェークスピアは、この王子の名前の一番後ろにあるhを最初に持ってきて、
Hamletという名前を作ったらしいです。
この城はデンマークにある三つの世界文化遺産の一つでもあります。
8時半に、コペンハーゲンを電車で出発。
昨日は3時半頃に日没だったので、
朝の9時ぐらいにならないと、夜が明けないのではないかと思っていたのですが、
7時にはもう空が白んでいました。
「あれっ、このぶんだと夜明けは早いのかな」と思いきや、
案の定、太陽の昇る角度が低いのでそこから先が長い。
結局、朝日が差したのは8時半頃。
ホテルから出たのも、ちょうどその頃でした。
今日も快晴。
ただ、天気予報によると午後は曇るようです。
まずは駅の切符窓口でヘルシンゴアまでの往復切符を購入。130クローネ。
切符を見てみると、
なんとコペンハーゲンのあるシェラン島全域で、
乗り降りが自由な一日チケットでした。
駅の自動販売機で買うと、
こういうフリー・チケットを見つけることがむずかしいので、
旅行者は駅の窓口で買った方が正解ですね。
ヘルシンゴアまで約50分程度の電車の旅。
9時の時間帯は、1時間に3本ぐらいヘルシンゴアまで列車が走ってますし、
ヘルシンゴアは終点なので、旅行者にはとても便利でわかりやすいです。
列車はシェラン島東岸を北上するように進みます。
ですから、時々車窓から海が見えます。
海を見下ろすような感じで立つ北欧の家もいい感じ。
反対側は、木の葉をすっかり落とした林と広い草原、そして沼地。
そうこうしている内にヘルシンゴアへ到着。
ここはデンマーク東端の街であり、
海を挟んで対岸はスウェーデンのヘルシンボリです。
フェリーがお互いの街を頻繁に行き交い、
駅から、そのままフェリー乗り場まで歩いて行けます。
つまりヘルシンゴア駅は、
青森駅や函館駅のように、
駅と港がほとんど一体化したところなのです。
駅舎を出た途端、
吹き付けてくる冷たく強い海風。
低い位置に留まったままの太陽。
太陽の光線がほとんど真横から差すので、
カラフルな色の北欧住宅はとても鮮やかに見えますが、
でも、とても風が強く、寒い。
まずは駅近くの旅行案内所で、
ヘルシンゴアのシティマップをもらってクロンボー城へ。
とはいえ、シティマップがなくてもクロンボー城はすぐわかります。
フェリーが発着する港の向こう側、
平らな岬の先にどっしりとクロンボー城が聳えてますもん。
つまり、クロンボー城は、
ヘルシンゴアの街から海に突き出た岬の突端にあります。
港をぐるりと回り込むように歩いて、クロンボー城に到着。
このお城は正方形の建物を、
幾何学模様を描く何重もの堀が取り囲んでいます。
そして背後は海。
つまり、クロンボー城は、
華麗な装飾で彩られた宮殿などではなく、
海から吹き付ける強風の中
堅牢な防備を固めて聳え立つ難攻不落の要塞なのです。
これは、く、暗い… ☆\(ーーメ)
参考までに ↓
http://sverige.blog53.fc2.com/blog-entry-170.html
正に『ハムレット』の舞台そのものです。
ハムレットの苦悩は、
父王の亡霊がハムレットの前に
現れたことで始まると言ってもいいでしょう。
父の亡霊はハムレットに訴えます。
自分の弟であり、
ハムレットの叔父である今の国王に毒殺され、
妻を(ハムレットにしてみれば母を)叔父に娶られたことを。
その父の亡霊に対してハムレットは復讐を誓うのですが、
同時にこの経緯を知ったハムレットは憂いに沈み、
狂気に陥った振りをして、
復讐の機会を窺う…。
そんな鬱々とした出来事が
本当にあったかのように思わせる、
荘厳ではあるけれど、
悲壮感たっぷりのお城、
それがクロンボー城でした。
なにせ海からの強風で、
城の周囲の芝生が波立ち、
風の走り抜けていく様が見て取れます。
なんか、とんでもないところに来ちゃったなあ…
続く…。