温泉で覗かれてしまった… 湯治場日記その2
3月11日
7時起床 お風呂
8時朝食 ご飯とみそ汁、納豆、のり、漬け物、鯵の開き、
9時より勉強。
おそらく今日のテレビは一日、震災関連の特集番組が組まれていることだろう。
でも、テレビは見ない。
その代わり、反原発運動を契機に、
日本社会での社会運動の可能性について考察した文献を読む。
2時。疲れた~
一度、温泉街の散歩に出かけ、外湯を楽しむ。
この温泉街には、
『千と千尋の神隠し』の湯屋のモデルになった旅館があるので、
そこへ入湯。1000円也。
(温泉好きの人には、
もうどこの温泉にいるかがわかったことでしょう)。
ここのお風呂は重要文化財なんだそうな。
大正を感じさせる、ちょっと洋風な造りのお風呂。
ここの旅館には10年以上前に泊まったことがある。
由緒ある旅館の割りに、割安の宿泊プランがあるのでお気に入り。
でも、今回は満員だった。
それでもっと安い自炊の湯治宿を選んだ次第。
今回は遊びに来たのではなく、
勉強しに来たので、
こういう鄙びていて、何もなくて、誰もいなくて、
まったく手入れがされてなくて、
やる気のまったく見えない宿の方が
何かと都合が良い(宿のおじいちゃん、ごめんなさい)。
調理室も私一人で自由に使えるので
気兼ねすることがない。
4時に宿に戻り、再び読書。
5時半に再びお風呂へ。
7時夕食。
今日は豚ちり鍋。
そして、また読書。
500ページ以上ある本だから、なかなか前に進まない。
10時半。歯磨きついでにお風呂へ。
11時就寝。
3月12日
行動パターンは昨日と全く同じ。
ただ、今日のお昼の散歩は、
ここの温泉の一番奥にある外湯まで行ってみることに。
後で聞いたら、宿から往復10キロぐらいの道のりだったらしい。
でも、私は山登りする人なので、
舗装された道路なら、そのぐらいの距離、何でもない。
人気のない川沿いの自動車道を登り詰めていくと、
この温泉地の奥にあるダムが見えてくる。
ダムの近くに小さな温泉街があって、
その真ん中には重要文化財の薬師堂。
そのすぐそばに誰もが無料で利用できる外湯があるので、
入ってみることに。
木造のこぢんまりとした外湯の建物。
あ、誰もいないや。
お湯がこんこんと流れ込み、
小さな湯船からずっと溢れ出ている。
ざばー
ふ~、いい湯じゃ…
窓の外を見れば、
冬枯れの山の斜面。
あ、その斜面にお猿さんの群れがいる。
おおお~い、お猿さーん、やっほ~。
あ、一匹がこっちに気がついた。
私のことをじっと見ている。
おおお~い…、はっ!!
じっと見つめる猿の視線が、なんかやらしい…
ひょっとしてこの猿、女湯を覗いている?
あああ~、
そりゃそうだ。
湯船から手を振る私は、すっぽんぽんのぽん。
猿の奴め、
私のナイス・バディに目が眩んで、
どうやら固まってしまったな。 ☆\(ーーメ) あまりの出来事に、
どう反応したら良いのか分からず、
困っているだけだと思うんだが。
ふふふ、覗かせてやるから、
しっかりと網膜に焼き付けておくんだぞ。 ☆\(ーーメ) 猿がとっても可哀想
あれま、
なんか関心なさそうに、
他の猿たちの後を追っていった。
ふん、このイケズぅ~。
さてさて、
アホな真似もこのぐらいにして、
そそくさとお湯から上がり、
ちょっとほてりを冷ました後、
服を着込んで、
登って来た道をせっせと下って、宿へと戻る。
再び読書。
ゆっくりと咀嚼しながら読んでいるから、
ページがぜんぜん進まない。
時々、長考という名の妄想にふけるから、なおのこと。
夕食前に、再び宿のお風呂。
そして、今夜も豚のちり鍋。
食べ終わったら、また読書。
寝る前に、またお風呂。
川の音を聞きながら、お休みなさい。
3月13日
今日の散歩は、
露天風呂のある日帰り温泉施設まで。
入湯料2時間で500円なり。
でも、ここの露天風呂。
女湯はもちろん外から見えないようになっているけど、
男湯は川の対岸の道路から丸見えだぞ、見たくないけど。
ここは由緒あるお風呂というよりは、
近代的な日帰り温泉施設で、
休憩用の大広間が開放されており、
100円のマッサージチェアも用意されていて、
受付を兼ねた売店では牛乳もちゃんと販売されている。
もちろんビールの自動販売機も…。
とはいえ、
今回の湯治では、
一滴のアルコールも飲んでいない。
飲んじゃうと勉強にならないからね。
そもそも3月になってから一回も飲んでいないのだ、私は。
なぜかと言えば、
来月4月1日からの検査入院のために、
身を清め、心を清めておこうという健気な心掛けだから。 ☆\(ーーメ) 嘘つけ!
ほんとは病院の体重計に堂々と乗れるようにするため。
それにお腹の皮を薄くしておかないと。
なぜって、お腹の中を覗く腹腔鏡を入れるため、
お腹の皮をメスで少し切るから。
この日は、
きれいに晴れた青空で、
露天風呂もとても気分が良いんだけど、
難点なのは杉花粉。
露天風呂だけに、
杉花粉を遮るものが何もなく、
鼻がぐすぐす、目がかゆかゆ。
何度となく顔を洗いながら、
お湯に浸かっているのもイライラする。
春先の露天風呂は微妙だなあ。
さてと、明日は都会へ帰還。
なんとか500ページの本は読み切れそうだ。
でも、今月中にあと1000ページ分ぐらいは読まなくてはいけない。
ひょっとしたら入院前にもう一度、
一人温泉合宿する必要があるのかなあ~、
是非ともしたいなあ~。 ☆\(ーーメ) お金がなかろ!
というわけで、
4泊5日の温泉合宿も
あっという間におしまい。
長閑な日々は、
長くは続かないのね~。
安寿
2013/03/21 23:14:01
>あがたさん
(^^;ゞ えへへへ
金銭的にはそれほど贅沢でもないけれど、
時間の過ごし方としては、
かなりなぜーたくをしてまいりました。
東北の方には湯治宿が結構たくさんあるのですが、
移動時間がもったいないので、
今回は近場の鄙びた宿で、
日がな一日ごろごろしながら、
ただただ本を読んでいました。
あがた
2013/03/21 09:54:38
非常にひっじょうにうらやましいです。
私多分1ヶ月とか6カ月単位でも平気な生活だわ。
ピアノと本があればいい。と思う。
お猿さんの訪問すらうらやましい。ニホンザルが怖いの知ってるんですけどね。
友人のロッジに行ったら群れで降りてきてそれは恐ろしかったんですけれどやっぱりうらやましいです。
どこの温泉なのか調べて真似したくなりました♪
体調いかがですか?
花粉もことしはたいへんですから。。。。
安寿
2013/03/21 00:31:37
>Luciaさん
ここの猿は、
長野県湯田中温泉の猿のように、
温泉に入ることをまだ学習していないので、
人間が温泉に入っているのを見るのが不思議なんでしょう、きっと。
映画『テルマエ・ロマエ』のように、
イタリアにも温泉はたくさんあるものと思ってました。
あ、あれは古代ローマか…。
まあ、ヨーロッパの温泉って、プールみたいですけどね。
Lucia
2013/03/20 01:53:13
毛皮を着込んでいるお猿さんから見ると
我々人間は、仲間っぽいのに異様な感じの
不思議な動物なんだろうな
温泉行きた~い
湯船に浸かりた~い