安寿の仮初めブログ

安寿

これは、ニコットタウンに現れた安寿の仮想ブログです。

安寿の極楽入院日記 その6 ☆\(ーーメ)

美容/健康

2013年4月4日

6:00  起床 体温36.5℃ 体重 ヒミツ ☆\(ーーメ) 

      朝日が病院に差し込んでいる。気持ちが良い。
      顔を洗い、コーヒーを作って、
      朝食前の時間、
      正面玄関の外にあるベンチに座り、
      この記録を書いている。

      ちょっと薄ら寒い。

             またお勉強ビデオを見る。現在5巻。
      今日中に見終えることができるだろう。

      今頃になって、あらためて気がつく。
      ここは私の母が亡くなった病院だ。
      もう20年前の話になる。
      その病棟は、今は管理棟になって、もう使われていない。
      以前、霊安室があった建物は、もう取り壊されてしまった。
      担当する医者のチームもかなり入れ替わった。
      看護師さんの中で見知った人は、もうだれもいない。

      ただ、桜だけが残っている。
 

      桜の頃に入院したのは、これが確か二回目だ。
      三度目があるのかどうか、
      ここが私の最期の地になるのかどうか、
      それはまだわからない。

      でも、ここなら悪くないようにも思う。

8:00  朝食
      バターロール2個100グラム、リンゴジャム、
      はんぺんチーズ焼き45グラム(3切れ)、大根マリネ、マンゴー、牛乳200ml。

      担当医が来て、来週火曜日午前中に抜糸に来て欲しいとのこと。
      明日、退院の際、次回外来までの処方箋を出して欲しいことを伝える。

9:00  明日の上部内視鏡検査、つまり胃カメラの同意書を提出。

9:30  肝臓科の回診、今日は◇◇先生ではなく、△△先生。

      「見た目には思ったよりも良くなっていなくて、ちょっと残念です」と
      私の方から診断を先に告げてしまう。
      「まあ、肝生検の検査待ちということで」。

10:00 ようやく私担当のナースである☆☆さんの顔と名前が一致する。
      しばらく夜勤の後、お休みだったらしい。

      DVDの第6巻を見る。

12:00  昼食
      ご飯、玉葱と油揚げのみそ汁、
      カジキ鮪の甘露煮80グラム・茄子のグリル付き(ただし輪切りが3個だけ)、
      根野菜サラダ(枝豆入り)、グレープフルーツ1/4

              1回の食事量は少ないが、
      3回規則正しく食べているので、お腹は空かない。

      引き続き、DVDビデオを見る。


13:20 DVD全6巻を見終わる。

      いくつかアイデアをもらったように思う。
      続いてDVDの教科書になりそうな本を読む。

16:00 この棟の看護師長さんが挨拶に来る。
      この4月に着任したらしい。

      「何か気がついたことは?」と意見を求められたので、

             「病棟の雰囲気が変わった。
       なんかみんなカーテンを仕切って、
       お互い接しないようにしている。
       病室内/病棟内で患者が病気のことや世間話をする中で
       仮初めの患者コミュニティが発生していた以前の感じがない」
       ということを伝える。

      その変化は看護師長さんも、よく言われると答える。

      そう、この変化は、病院だけではない。
      学校の運動会でも、生徒たちは教室で給食を食べ、
      保護者は家族単位で食べている…
      …が、家族が小さいので、
      夫婦二人で完結して食べている。

      隣近所でわいわい食べることは、
      日本の都会では、もう起こらない。

      町内会の行事も同じ。
      子供のためにお祭りの時だけ参加してくるけど、
      そのお祭りを手伝うことはない。

      町内会費を払ってはいるが、
      実質はフリーライダー(ただ乗り)。

      公園デビューも幼稚園デビューもしかり。
      子供のためであって、自分のためではない。

      だから、必要がなくなれば、面倒は避ける。
      端から面倒であれば、最初から避ける。

      入院している人は、皆それぞれに面倒を抱えている…

      だから、情報交換したり、世間話したりして、
      なにかと厄介な入院生活の気を紛らわせ、
      退屈な日常を過ごし、
      「悪くない入院だった」と思えるようにしていくのか、
      それとも皆がお互いを避け、距離を置いて、
      カーテンの中で孤立して過ごしていくのか。

      ともかく以前のように、
      患者同士のコミュニティが生まれないし、
      存在しないのが、私には異様に映る。

      今回、私の入院は短期間なので、
      たまたまそういう方たちと同室だったのかもしれないけれど、
      この変化は、どうも今回だけの偶然ではないようだ。

      入院に際して、私が勉強道具を持ち込むのは、
      ある意味、濃くなりすぎる入院生活において、
      周囲の人と一定の距離を保つための口実でもあったように思う。

      つまり、仕事をしている振りをすると、   ☆\(ーーメ)
      他人は関わることを遠慮してくれるのだ。

      10年前は、そのような道具を持ち込んでいた方が、
      他人と適度な距離が生まれ、自分の時間を持ててよかったのだが、
      今はそのような道具がなくても、
      他人がよそよそしい。

      母譲りで、おしゃべりな安寿は、
      母と同様に、入院すると知り合いを増やしてくるタイプなのだけど、
      今回は、そういう経験はできそうにもない。

      
      
17:00 担当ナースの☆☆さんとお話をする。

      10年ぶりの肝生検のこと、
      これまでの肝炎治療の過程、
      そして☆☆さんは勉強用のDVDに関心があったので、
      その話のさわりと、
      今回それをネタにプレゼンすること、
      そして来週からプレゼンのさわりを話して…

      あああ~、やっぱり私はおしゃべり。  ☆\(ーーメ)
      このブログが、それを証明している。

      単に退屈していたので、
      自慢話をしたかっただけと思うけど…  ☆\(ーーメ)

           
      準夜勤のナースは■■さん。
      同室の人はみんな退院してしまったので、
             本日は差額料金無しで個室使用。

      らっきー!  ☆\(ーーメ)

(その7につづく)