穴子の白焼き、山葵・檸檬・紫蘇の葉添え…
山から帰ってくると、
こういうものが食べたくなるのです。
天ぷらにする穴子に、
パラパラと塩を振って、
身の方から火に炙り、
皮は軽く焦げ目が付くぐらいにして、
焼き上がったら、
信楽焼の平皿に乗せ、
レモンをギュッとかけて、
山葵と紫蘇の葉の微塵切りを添える。
お酒は、キリリと冷やした日本酒です。
二品目は、
タコとキュウリとトマトを、
自家製のバジルと共に、
やはりレモンとオリーブオイル、
塩・胡椒で和えて、
冷たくマリネしたものをいただく。
お酒は日本酒を
デカンタに移し替えて、
冷やで頂いているのでした。
あああ~、極楽じゃ… ☆\(ーーメ)
今回の登山、
その最大の失敗は、
ご飯が不味かったこと。
荷物の軽量化を図るため、
朝はカップヌードル系、
夕方はジフィーズと呼ばれる真空乾燥してあって、
水やお湯でご飯に戻るタイプのものに、
やはり、お湯で戻すタイプのカレーをあわせてみたのですが、
… 不味い …
いつまでも口いっぱいに頬張っていて、少しも喉を通っていかない。
しかし、不味くても食べなくてはいけないところが、
山登りの辛いところ。
そもそも生ゴミなんて出せる環境ではないですし、
食べなければ、行程の途中でエネルギー切れになってバテてしまう。
そして今回のルートで、それは即、遭難!
単独行の私は、そのまま救助要請になってしまうのです。
だから、馬のエサであろうと何だろうと食べなくてはいけない! ☆\(ーーメ)
今回挑戦した南岳ー北穂高岳間の大キレットという場所は、
一度足を踏み入れたら最後、
次の山小屋まで約4時間の行程を、
泣いても笑っても歩き続け、
岩場を越えて行かなければいけません。
スタート地点の南岳から、
すぐに300mを下り、
難所に設えた鎖やハシゴ、
岩に打ち込まれた杭を頼りにして、
落石を起こさぬよう細心の注意を払いながら進み、
そして、また300mの標高差を気息奄々となりながら
北穂高岳まで登り返して、
ようやく大キレット越えが完了するという…
つまり、エネルギー切れであろうと、
怖くて足がすくんで動けなくなろうと、
動けなくなった時点で即、遭難扱い、
救助要請になってしまう世界なのです。
ですから、このルートを歩いている人間は、
深刻な事故でも発生しない限り、
どこまでも自己責任のつもりで、
次の目標地点まで必ず歩き続ける覚悟がないといけない。
南岳から北穂高岳、
そして奥穂高岳を経由して、
西穂高岳へと抜けるルートは、
北アルプスの魔境とでも言うべき厳しいルートなのです。
今回私は、
大キレット越えで良しとして、
北穂高岳から先へは進まず、
北穂高岳から涸沢へと降りる下山ルートを辿りましたが、
そこから先は更に厳しいルートが待ち構えているのです。
(ちなみのそこから先を辿るパーティは、
皆ヘルメットにハーネス(安全バンド)を装着してました。)
だから、
「お腹が減って、力が入りませんでした」
だなんて言い訳、
死んでも出来ないようなところと、
常々安寿は思っているのです。
だから、食べねば。
そして、生きねば。 ☆\(ーーメ) 大袈裟
以前、阪神淡路大震災の折、
被災した人が何日もカップヌードルを食べ続け、
それ以来、二度とカップヌードルを食べなくなったとこぼしていたのを思い出します。
登山の場合、ちょうどその被災者のような立場なのです。
食べねば、命を繋ぐことができない。
ですから、食べないわけにはいかないのです!
…が、うえぇ~、不味い。
いつまでも口の中で、もぐもぐしていて、
少しもノドを通っていってくれません。
でも、食べるのです。
食べねば…
そして、生きねば…
♬ あの子の~命は~飛行機雲~ ♪ ☆\(ーーメ) ちゃうやろ!
それと比べれば、
標高3メートルの下界に位置する、
安寿の自宅の、なんと極楽な環境だこと。
三品目は、納豆とオクラを刻み、大根おろしと和えたネバネバ鉢。
あああ~、この三品と冷酒が
北アルプスの稜線上に用意されていたら… ☆\(ーーメ) あるわけなかろが!
安寿
2013/08/17 13:37:52
>あがたさん
きっと私は食い道楽なのだと思います。
単独でテント泊の登山は、
どんなコースであれ、
過酷なのだと思います。
あがた
2013/08/12 10:23:27
酒のつまみが。。。じゅる♪おいしそうです。
それにしても一人での登山にしては過酷ではないですか?
分からないからそう思うのかしら?
ご無事で何よりです。