冬に行きたい、と言うか、どんな季節でもいいから行きたいと思っていたトレッキングに行くのである。
明日からだ。
昨日まで仕事に追われて、昨晩から荷造りを始め、朝から買い出しに行ったり家中の掃除をしたりしているうちに、ようやく実感がわいてきた。

私、旅に出るんだ。

自転車をこいでいたら、からだの奥底から震えがくるような喜びが沸いてきた。
今から英語の本を紐解いても無駄だろうけど、マレー語の1から10まで位は覚えたい。

行きたい場所がなぜ友人カテゴリになるのだろう。
私はどこかに行きたいと思う時、誰かと行きたいと思うことはほとんどない。

家族旅行は思い出を語り合えるから２度楽しい。
映画は誰かと行くと、終わった後に感想を言い合う楽しみがある。
そんな楽しみを私も知った。
なのに一人旅にこんなに心踊るのはなぜなのだろう。

私にとって、旅行と旅は違う。
旅行はただ楽しむためのもので、快適とか優雅なんて言葉が似合う。
旅は、基本的にアクシデントを楽しむものだ。
うまくいかなかったり本当にうまく行くかどうかとどきどきして、トライして、成功したり次善の策を練ったりする。
そのドキドキ感がたまらないのだ。

人をそういうトキメキを恋愛に求めたり買い物で昇華したり、スポーツで感じたりするのだろうが、私の場合は旅のなんだろう。

ほんの8日間の旅。
でも家族の協力を得、仕事の折り合いをつけて行く、結婚以来の、トレッキングで言うなら20年ぶりの旅だ。
楽しみたい。
どうか、私が帰るときまで日本が平和で、帰りつく家がありますように。

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