安寿の仮初めブログ

安寿

これは、ニコットタウンに現れた安寿の仮想ブログです。

別府鉄輪温泉・湯治日記 その3

レジャー/旅行

3日目です。

今日は天気がいいので勉強もそこそこに、
ちょっとバスに乗って泥湯の露天風呂に入りに行き、
帰りは鉄輪温泉の通称「地獄めぐり」をしようと思います。

まず、鉄輪温泉の真ん中にある鉄輪バスターミナルに行って、
そこからバスで明礬温泉の方に向かいます。

明礬温泉の手前、紺屋地獄前(泥湯前)というバス停で下車。
片道190円、バスはスイカやパスモが使えます。

バス停のすぐ側にある別府温泉保養ランドが、
目指す泥湯の露天風呂がある施設。
入浴料は1050円と、ちょっと高め。

受付でサンダルに履き替えて、
お風呂がある外の建物へ歩いて行きます。


歩いている途中、
塀の向こうから「ドプッ」という、
泥の中から大きな泡が浮かび上がる音…

  否が応でも期待が高まりますぅ~

お休み処がある建物に入り、
受付のおじさんにチケットを渡し、
そこにおいてある無料の入浴用キャップをもらって、いざ脱衣場へ。

女性に入浴用キャップが無料で配られるのは、
もちろん泥が髪の毛の間に入り込まないようにするためでしょう。

  さらに期待ぃぃ~


脱衣場に入れば、
やはり噂の温泉らしく、
大勢のお客さんで賑わっています。

ここはまず屋内にコロイド湯という、
白くて底が見えない大きな湯船があります。


このコロイド湯は、
底は多少どろどろした感じがありますが、
それほど泥湯という感じはありません。


ですが、お風呂の底が見えないので、
どこに湯船の段差があるのか分からない。
すり足で段差を探しながら、
お湯の中を進むしかありません。
ちょっと緊張します。

後で確認したのですが、
ここの泉質は、硫黄泉で酸性の湯。
鉄輪温泉のような、肌にやさしい感じの塩化物泉ではありません。


次に屋内の泥湯へと向かいます。

泥湯と言っても、
やはり全部が泥というわけではなく、
ドロ~っとした泥は底の方に溜まっているのですが、
確かにこのお風呂の泥は粘土のような感じです。


そして、おもしろいのは、
湯船の中に、木や竹の手すりがあるところ。

ここの泥湯は、
泥の分量のせいなのか、
はたまた有効成分のせいなのか、
ともかくお湯の比重が高くて、
人間の身体が浮き上がってしまうらしいのです。


つまり、高濃度で塩が溶け込んでいるから、
海に入るよりも身体が浮かび上がってしまう死海のようなものですね。


だから、泥湯の中で、
身体を安定させるために、
この手すりがあるそうです。


そう言われてみれば、
確かに湯船の底にどんと腰を下ろさなくても、
よかったような気がするのですが、
しかし、浮力というのは、なかなか実感しにくいもの。


それにこの泥湯は、
窓の少ない屋内にあるために薄暗く、
泥の中には重金属などもたっぷり含まれているそうで、
なんだか身体の芯にズンとくる感じがあります。


つまり、このお湯は、
浮力の点ではライトなのかもしれませんが、
効き目の点ではとてもヘビー。
長湯してると湯あたりしてしまいます。
 (実際、そのような注意書きが書いてあります。)


なので、
早々に次のお風呂、
蒸し湯に向かってみます。

屋内の建物から外に出たすぐの所に
男女別の小さな小屋があり、
そこが蒸し湯。
まあ、簡単に言えば、スチーム・サウナですね。


裸で一端、
外に出るので、ううぅ~、さむ!。

すぐに小屋の中へと逃げ込めば… 


  な… 何も見えない…


小屋の中は、
高濃度の湯気が充満していて、
視界が目の前1メートルもありません。

眼鏡が完全に曇って、
しかも、いつまで経っても、全然晴れない感じ。


天井に明かりとりの窓があるらしく、
室内は明るいのですが、
白い湯気ばかりが目に入って、
奥にいったい何があるのか、皆目見当がつきません。


冬山で吹雪に巻かれたりすると、
ホワイトアウトと言う現象が発生します。


あたり一面が真っ白になって、前後左右はおろか、
自分が真っ直ぐ立っているのかどうかすらわからないという
方向感覚をまったく喪失した状態のことですが、
ここの蒸し湯は、正に湯気によるホワイトアウト。

日中に両目をあけているのに何も見えない感覚は、
生まれてからこれが初めてと言っていいと思います。


仕方ないので、
ここもまた壁に手をつきながら、
湯気の中をしずしずと奥の方へと移動していけば、
湯気の中から…

  おお~、湯気の中にベンチが見えてきた~
  おお~、そこにおばちゃんが座ってた~

誰も居ないように思えた蒸し風呂の中には、
なんとおばちゃんが3人も座っていたのでした。

  なんかミステリーを感じる…  ☆\(ーーメ)


歩いた感じでは
4畳半ぐらいの広さの小屋なので、
多少、湯気が立ち籠めていても、
誰がいるのかぐらいはわかりそうなものですが、全然わからなかった~!


あまりの湯気のため、
入口でうろたえていた私の姿を見られた気がして、なんか恥ずかしい。


  …あ… 向こうもこちらが湯気で見えてないか…  ☆\(ーーメ)

ともかくベンチの空いているところに、
またもや、すり足で近づいて腰掛ければ、
すぐにじわ~っと、汗がにじみ出してきます。
息をすれば、濃密な湯気が肺の中に入ってくるのがわかります。


  10分程度で退散~。

外に出れば、
今度は冷たい外気が、気持ちいい~。


続く。