真犯人はマドンナさんということらしいけど…

灰色の脳細胞を持つ探偵安寿が、
ワトソン君と共に現地に出かけて観察し、
パイプを燻らせて推理し、
少年探偵団の協力を得て導き出した真犯人は…

　　ヒツジ校長、お前だ！

そもそも、あのヒントの紙は誰が書いたのだ？
しかも、わざわざ破って箱の中に置いてあるのはなぜ？

これはね、
実は演劇に出たくなかったヒツジ校長が、
プリンが食べられてしまったことを口実にして、
出演を辞退しようとした狂言なのよ。

ヒツジ校長は
「とても美味しそうなプリンを、
　誰もが入れて、
　しかも誰もいない部屋に置いておけば、
　きっと誰かが食べてしまうだろう…」
そう、考えたの。

だから、ワザとプリンを放置したわけ。

そして、実際その通りに栗くんがプリンを運び出し、
マドンナさんが食べてしまったのを
ヒツジ校長は隠れて見ていて、
ヒントのメモを書き、
破って箱に入れた。

そうすれば、
私たちがメモを集め、
犯人捜しを始めだし、
栗くんやマドンナさんたちを犯人と特定してくれるだろう。

そして、自分は、
プリンを食べられてしまった可哀想な被害者、
失望のあまり、演劇に出られなくなったことにすれば、
出演を期待していた人々も、
自分の出演辞退に同情してくれるにちがいない…

実際、プリンを運び出したのは栗くんだし、
食べたのはマドンナさんだから、
自分自身が疑われることはない。

しかし、この科捜研の女・安寿の眼は誤魔化せない！

ヒツジ校長！
あなたは友人たちを使って、
彼らを盗み食いへと唆し、
そのどさくさ紛れに、
「実は演劇に出たくない」という
自分の隠された欲望を達成しようした！

そう、あなたは教育者の風上にもおけない人。
　　
なぜなら、あなたの行動は、はっきり言って子どもです！

まず、最初に、
演劇出演の誘いを受けた時
「出たくない」と断れずに、
「いいですよ」といい格好してみせちゃったでしょ。

そして、よくよく考え直して、
自分から出演を断りにいくのではなく、
誰かにわざとトラブルを起こさせて、
それを理由に拗ねてみせることで、
自分のワガママを通そうとしているでしょ。

加えて、自分の仲間たちを、
プリンで誘惑し、盗み食いへと走らせている。
あなたのしていることは、
巧妙に仕組まれたパワハラ以外の何ものでもない。

最後に、
意図的に操作された情報を流して、
私たちを使って犯人捜しをさせている点。

まったくニコタの信頼を損なうような振る舞いね。


さて、校長…

解決方法は二つある。

一つは、
事の顛末を公にして、
栗くんとマドンナさんには謝罪して、
自らはその毛を全部刈り取って坊主となり、懺悔の遍路旅へと出かける。


もう一つだが、

　　どうだろう…

　　これから毎日、
　　私にプリンを届けてくれるのであれば、
　　事の真相は黙っていて…　　　　　　　　　☆＼(ｰｰﾒ)　安寿、お前も悪じゃのう