安寿の仮初めブログ

安寿

これは、ニコットタウンに現れた安寿の仮想ブログです。

お遍路の記録&安寿の考えたこと その3

レジャー/旅行

2月23日(月)
    
7時00分に宿を出発。
  昨日参拝した18番札所・恩山寺の方向に少し登り、
  左側の牛小屋の間を通る感じで遍路道は続いている。
 
8時10分、お京塚に到着。ここには休憩所がある。誰か寝ていた。
       お京さんの話も、身持ちの悪い女に罰が下るという話だ。
  でも、弘法大師が本当に徳の高い人ならば、
  そんな陰惨な罰を与えなくても、いくらでも改心させられるはず。

       むしろ、悲惨な出来事や怪異を弘法大師と結びつけることで
  因果応報の教訓話として仕立て、
  その逸話を語り継ぐことによって、
  信仰を軸とした社会秩序を再確認し、強化していく。

       そのような民衆の集合的無意識とでもいうべきものが、
  このような物語を成立させたのだと思う。

       身持ちの悪い女だからといって、
  悲惨な出来事に遭って当然ということにはならない。

       身持ちの悪い女がいたら困るというのなら、
  彼女がそんな人になってしまった経緯を聞き取り、
  彼女の対人関係のパターンを分析し、
  適切なアドバイスを与え、
  理解ある人々との間で対人関係の練習をしていくべき。
  社会的人格障害を治療するように接していくべきだと思う。

  お大師様なら罰を下すより、そうするはず。

8時20分、19番札所、立江寺に到着。
  立江寺は今日から三日間、お初会式。
  境内の至る所で屋台の開店準備が始まっていた。
  だから、朝からにぎやか。

9時05分に立江寺を出発。
  田園の中を進み、やがて低い峠道に入る。

   
10時20分、峠を降りたところにある沼江大師で10分休憩。トイレなし。
  この道は交通量が多いけど、
  歩道や路側帯がほとんどないので、注意が必要。

  この交通量の多い車道をガマガエルが横断しようとしている。
  うーん、助けるべきか否か…。
  ごめんよ、なんとか無事に渡りきってくれ。

  峠を下りると、左に折れて、
  勝浦川沿いの平野を上流に向かって歩いて行く。
  歩いて行くと、道の両脇の商店や事務所にお雛様が飾ってある。
  勝浦町は、ひなの里として街おこしをしているのだ。
  まもなく、ひな祭りだから、今はイベントの最盛期。

     
  道の駅ひなの里かつうらがメイン会場で、
  隣の大きな倉庫では第二七回目のビッグひな祭りが開催されていた。
  入場料300円。
  お接待として入口の人からポケットティシュをもらってしまった。

  会場中央には高さ8メートルのジャンボ雛壇飾り。
  その他にも全国から贈られた三万体ものひな人形が飾られている。
  中には、アナと雪の女王をコンセプトにした飾り付けも。


  道の駅でおばさんからお接待として500円をいただく。
  「もう御飯食べましたか?」と聞かれたのだが、
  お昼御飯を食べるつもりはなかったので、
  「はい」と答えたら、「じゃあ…」と言って500円を差し出してくれた。
  「いいえ」と答えて、ミカンでももらった方が善かったのだろうか。

  ここの道の駅は直売場兼スーパーのような所。
  明日の山道の行動食としてドーナツを買う。

  ここには、遍路用の吹きさらしの休憩所もある。
  中には毛布がおいてあった。
  トイレ・水もあるので泊まる人もいるのだろう。


12時25分、出発。長居してしまった。
  今日はここから山道に入って、20番札所の鶴林寺に向かうのではなく、
  ちょっと寄り道して「ひなの里さかもと」に泊まることにしている。

  横瀬という街の、橋のところにあった碑文によると、
  昔、勝浦川をここまで舟が昇ってきていたそうだ。
  だから、この町は川港として大きくなったわけ。

  横瀬の街の脇道を歩いていると、
  幼稚園前の小さな子どもが、私を見つけて
  「お遍路さんが来たよ」と言って中に引っ込んでいき、
  そして手に何かを持って出てくる。

  ああ~、お接待だ。
  子どもの後ろではお母さんがサツマイモを洗っていた。

  きっとこの子はお遍路を見つけては、
  お接待のお菓子をあげることが楽しくてたまらないのだ。

  何か自分が良いことをしていること、
  良いことをして大人から褒められるのが嬉しいのだ。

  「どうぞ」と可愛い声で差し出すので、
  「ありがとうございます」と丁寧に受け取る。

  大人に接するのと同じようにお礼を言ったら、
  それに何と答えたらいいのかわからず、もじもじしている。

  いろいろなお菓子が一つの袋に詰められていたので、
  このお宅ではお遍路さんが通った時、
  いつでもお接待することができるように、こうして準備しているのだろう。

  こういう慣習は続いていくといいなあと思う。

  ようやく坂本という集落へ向かう分岐点に出て、
  ここから坂本の集落を抜け、最後の急坂を登り切って、

14時25分、「ふれあいの里さかもと」という今日の宿に到着。
  昔の小学校を再利用した施設だけど、立派。

  体育館は「おひな様の奥座敷」イベントを開催中。
  部屋も立派。旅館と言えます。
  私の部屋は元職員室を二つに区切ったのだそう。

  徳島県最後の札所まであと四つ。
  帰宅日を含めて、あと三日の行程となったので、
  不要な荷物をここから郵便で送り返してしまおう。

  まず、小学校の上のにある郵便局に行って、ゆうパックの箱を購入。
  箱を宿に持ち帰り、いらない荷物を詰めて、再び郵便局へ。
  箱代140円、送料1080円
  郵便局にお客は私一人。男性と女性の職員が一人ずつ。

  郵政民営化の際、こういう郵便局が統廃合されかかったわけだけど、
  やっぱりユニバーサル・サービスとして残すべきよね。
  少なくてもお遍路にとってはありがたい。

  坂本という集落も、
  急な斜面に石垣を積んで、畑や宅地を作りあげている。
  美しい集落で、
  ちょうど学校からの帰り時間だったせいかもしれないけど、
  子どもの姿も多い。

  崩れかかった家屋も多く見かけたけど、限界集落という感じはしない。
  「ふれあいの里さかもと」にも職員の姿が多いし、
  泊まった感じも、とてもいい。
  お風呂も大きな旅館のお風呂。洗濯・乾燥もできる。
  食事も旅館並み。

  ここは無線LANがつながったので、メールチェック。
       厄介なメールが来ていたが、今は考えないことにしよう。
  食事後、洗濯物を回収して、この記録を書いて、

20時30分。

  今日は早めに就寝して身体を休めよう。

  今日の出費
     納経料 1回         300円
     ビッグひな祭り会場で、入場料 300円
     明日の行動食のドーナツ    130円
     ゆうパックの箱        140円
     送料            1080円


  お接待として、500円とお菓子セットをいただく。

  • 安寿

    安寿

    2015/03/18 14:52:49

    >四季さん

    私のように動機が不純なお遍路が   ☆\(ーーメ)
    お接待を受けると、はっきり言って申し訳ない気がするのです。

    でも、せっかくの気持ちを受け取らないのもいけませんし、
    お遍路本でも「お接待は受け取るように」と書かれています。

    世界遺産にしても良いのですが、
    なんか団体バスツアーのお遍路さんが一気に増えそうで
    それは勘弁してもらいたいなあ~。

    歩き遍路としては静かな境内、
    待たなくても良い納経所が嬉しいです。

    休憩所は結構たくさんあるので、
    世界遺産になるなら、それを機に、
    歩道の整備を進めて欲しいように思います。
    歩道がないけど、車の往来が激しい道は結構ありました。
    沈潜橋なんて手摺りがないから、
    車とすれ違う際、怖い思いをしましたよ。

    介護士がお年寄りを子ども扱いするのは、
    施設にもよるのでしょうが、
    やはり介護される方の認知症が進んでいるからではないでしょうか。

    介護する方に聞いたことがありますが、
    認知症の方の扱い方でむずかしいのは、
    ボケていくところが、まだらなところらしいです。

    全部が等しくボケていくのではなく、
    あるところはしっかりしていて、
    あるところは全然ダメ。

    だから、子ども扱いしてしまうと腹を立ててしまう場面があるかと思えば、
    まったく子ども扱いしなければ何もできない場面もあるらしく、
    しかも、その場面が日々の状態によって変化する…。

    ですから、現在の介護状態に対する理解がない理想的な要求は、
    百害あって一利なしのようでした。

  • 四季

    四季

    2015/03/16 23:13:55

    お遍路の世界遺産への動きは、お接待文化も含まれていましたよね^^

    小さな子供にも丁寧に接するのは、心がけとして大切だと思いました
    人格を認めることに繋がりますからね^^

    話はそれますが、老人ホームなどで、
    介護士さんがお年寄りを子供みたいに扱うシーンに、あたしは違和感があります
    「おばあちゃんごはんですよぉ、おクチをア~ンしようか・・・」
    その道のプロがそうするには、それなりの理由がおありなのでしょうけども。