安寿の仮初めブログ

安寿

これは、ニコットタウンに現れた安寿の仮想ブログです。

尾瀬から2日早く降りてきました。

レジャー/旅行

8月31日。

迷走していた台風10号の後を追うように、
安寿も福島県に向かって北上し、
沼山峠から尾瀬エリアへ入山。
台風一過の尾瀬を満喫してきました。

浅草発、朝一番の東武快速に乗ると、
12時頃には尾瀬沼山峠に到着できます。
そこからザックを背負って約1時半歩けば、
尾瀬沼キャンプ場に到着。

すぐにキャンプ場にテントを張って、
サブザックに雨具や水筒を入れて、
大江湿原から小渕沢田代を散策。

花の季節は終わり、
草紅葉の季節にはまだ早いせいか、
それとも平日のせいか、
はたまた台風が通過した直後のせいか、
ともかく人の姿を見かけない…。

人のいない尾瀬…。
尾瀬の湿原の中に
自分一人しかいないというゼータク…。

小渕沢田代という、
尾瀬の主だった散策路から外れた高層湿原なんて、
今日、私以外にここを訪れたのは、
熊か鹿ぐらいだろうという感じ。

テントに戻り、早めの夕食。
この日は、キュウリを味噌風デップに付けて食べ、
玉葱とスパムのトマトピューレスープ、パスタ入り。

その後、再び夕闇迫る大江湿原を、
ウォークマンで音楽を聴きながら散歩するゼータク…。

  曲は、例えばマドレデウスの「Vem」なんかを聴いてました。
   ↓
  https://www.youtube.com/watch?v=PJW3DUWefZU


日没後、さっさと寝て、
翌朝4時に起きて空を見上げれば、
これまた満天の星。
月が出ていなかったから、
なおのことよく見えました。


9月1日。

5時になるとかなり明るくなるので、
尾瀬の最高峰、燧ヶ岳へ出発。

その途中で横切る大江湿原は
まだ朝靄に包まれたままで、
幻想的とは、こういう風景のことを言うのですよ。

尾瀬沼東岸から燧ヶ岳山頂を目指す長英新道に入ります。

この道は最初の内は、緩やかな樹林帯の登り。
3合目あたりから6合目手前あたりまでは急登。
道が雨で深く抉られていますし、
展望が効かない場所なので、苦しいところ。

でも、6合目近くになると展望が開けてきて、
道も緩やかになり、7合目で森林限界を抜け、
燧ヶ岳の山頂の一つ、俎ぐらが見えます。

3つぐらい続く木製の階段を登り詰めると、
そこがミノブチ岳の山頂。

  燧ヶ岳は、最高峰の柴安ぐらの他にも、
  ほとんど同じ高さの俎ぐら、
  御池岳、赤ナグレ岳、ミノブチ岳と
  上部に頂上がいくつも突き出た山なのです。

ミノブチ岳山頂からは、
今朝出発した尾瀬沼の展望が広がります。

そこから御池岳に向かって水平に歩き、
ナデッ窪登山道との分岐を経て(確かここが8合目)、
御池岳の横を巻くようにして歩き、
俎ぐらへと向かう岩場を登り詰めていきます。

8時半には燧ヶ岳・俎ぐら山頂に到着。
雲一つない快晴でした。

南東には日光白根山を初めとした日光の山々、
南西には上州武尊山や尾瀬のもう一つの名山・至仏山。
北西には平ヶ岳を初め、越後の山々。
北東には会津駒ヶ岳。
遠くは浅間山まで確認することができるほどの好天気。

燧ヶ岳の最高峰、柴安ぐら山頂も往復して、
下りはナデッ窪登山道の分岐に戻り、
そこからナデッ窪を降りてきました。

岩が露出した涸れ沢をひたすら下降していく道で、
登れば急登、下れば急下降の緊張する道なのですが、
この道は降りきったところにある沼尻平の湿原がすばらしい。

登山道の出口から、
湿原の真ん中を貫くように、
まっすぐに木道が走っているのですが、
ここを歩いていると、
正に山の神さまが住む世界から、
明るい草原の世界へと出てきたんだなと実感します。

その後、尾瀬沼の南岸を半周して、その日の行程はおしまい。
私は2度目なので南岸を歩きましたが、
北岸の道と比べると、
南岸の道は木道が荒れていて、
登り降りする場所も多く、
湿原も少ないので、
初めての人は北岸を辿った方が正解でしょう。

この日の夕食。
今日はニンジンのディップサラダと
スパゲティを茹で、
  (小鍋で茹でることができるように短く、
   3分で茹で上がるスパゲティがあるのです。
   登山者向けに開発されたのかもしれない。)
アラビアータのソースで和え、
上に缶詰のオイルサーディンを乗せて出来上がり。

尾瀬は水が豊富に手に入る場所なので、
麺類を茹でられるのがいいですね。

とはいえ、尾瀬は富栄養化を防ぐため、洗剤や石けんの使用は禁止。
水場で食器などを洗うことも禁止。

なので、麺を茹でた汁も直接水場に流してしまうのではなく、
テント場の地面に吸わせるようにします。
その点からも、そうめんよりもパスタ類の方が調理しやすいです。

スープパスタにすると、
茹でた汁も食べることになるので、
より一層尾瀬の環境にとってやさしい食べ方になります。


9月2日。

この日は3時15分頃に起きて、
フランスパンとカップスープ、コンビーフポテトの朝食を食べた後、
テントを畳んで、
やはり明るくなってきた5時頃、
次のテント場である尾瀬ヶ原のキャンプ場へと移動します。

今日は尾瀬沼の北岸を辿ります。
一つの湿原を横切り、
森の中へと入り、
森を抜けると、
また新たな湿原が目の前に広がる。
そんな楽しい道を歩いて、
前日燧ヶ岳から降りてきた沼尻平に1時間ほどで到着。

ここは尾瀬沼の水が尾瀬ヶ原へと流れ出ているところで、
川に沿う形で登山道が尾瀬ヶ原へと向かっています。

ちなみに、この場所に立っていた沼尻休憩所は、
2015年の火事で焼失してしまいました、
休憩所があった場所は、
基礎のコンクリート支柱岳が残り、炭が散らばっています。
木道も端の方が焦げてる。
トイレだけは復旧していましたが、
処理能力が小さいので、
できれば、他の場所のトイレを使用して欲しいとのこと。

この沼尻平から少し登ると、白砂湿原に出ます。
白砂湿原から再び森に入って、また一段登ると、
そこが白砂峠。

ここから先は、尾瀬沼から流れ出た沼尻川の渓流の音を聞きながら、
尾瀬ヶ原に向かって下る一方。
日当たりがなくて湿った道ですが、
重い荷物を担いでいる身にとっては、
日陰で涼しく助かります。

川が遠ざかって渓流の音が聞こえなくなり、
両側の山が開け、空が大きくなってくると、
尾瀬ヶ原はもうすぐ側。

下りきったところ、尾瀬ヶ原への東の入口が見晴。
ここは山小屋がいくつも建っていて、
大きなテント場もあるので、
尾瀬ヶ原探勝の中継地点みたいになっています。

朝9時前に到着したので、
100近くテントが張れる場所なのに、
残っているテントは5つぐらい。

なので、平らで木陰で、
トイレや水場から遠からず近からずの場所に、
テントを張ることができました。

テント設営が終わると、
サブザックに雨具や水筒、
行動食のクッキーなどを入れて、
三条の滝を見に出発。

続く。