20160904 すたこらさっさと尾瀬から降りる
9月4日の夜中3時頃、
テントから顔を出してみれば、
あれま満天の星空。
今日は曇りの天気じゃなかったの?
もう明け方だから、冬の星座であるオリオン座が登ってきてました。
ともあれ、今日は山を降りることにしたので、
3時半には寝袋から這い出し、
撤収の準備を開始。
そして5時、
明るくなってヘッドランプが必要なくなった頃に、
見晴のテント場を出発。
尾瀬ヶ原の西端・山ノ鼻を目指して、
歩き始めてみれば、
燧ヶ岳も至仏山もその山頂には雲がかかっていて、
やはり天気は下り坂。
尾瀬ヶ原に朝日が差し込む時間を過ぎても、
私の歩く影が湿原に長く伸びることは結局ありませんでした。
さっさと降りよう。
それがベストの判断。
とはいえ、尾瀬ヶ原の西半分は、
2日前には歩けなかったので、
結構寄り道をし、
写真を撮りながら歩いたので、
山ノ鼻に着いたのは、
7時をすでに廻っていました。
そこで少し休んで、
7時30分、鳩待峠に出発。
予定なら、この山ノ鼻のテント場にあと2泊して、
アヤメ平と至仏山を登るつもりだったのだけど、
それはまた今度ということにしましょう。
山は逃げないし、
それに洗濯したとはいえ、服はやっぱり汗臭い。
早く着替えたいし、お風呂に入りたい。
山ノ鼻から鳩待峠までは、
高低差で200m弱を登ることになりますが、
道は緩やかに登っていく感じだし、
尾瀬に入山する人が一番多いルートでもあるので、
木道はしっかり整備されています。
ちょうどこの時間帯のこの場所は、
鳩待峠から荷物を背負って下りてくる歩荷さんと
すれ違うことになります。
背負う荷の重さで、
賃金が決まるような話を聞いたことがある…。
500mlの飲み物1ケースは24本入りだろうから、約12キロ。
そのケースを何段も積み重ね、
その上に更に荷物を積み重ね、
頭の上から50㎝以上も高く荷物が突き出た背負子を背負って、
木道を降りてくる。
100キロは越えていそうな気がする…
私の今回の装備一式は、
家を出る時、計ってみたら、
食糧を含めて約20キロぐらいだったので、その5倍か…
…なもので、
歩荷さんは、みんな筋肉マンのような体つきをしています。 ☆\(ーーメ)
しかも、履いている靴は、登山靴ではなくスニーカー。
木道では、登山靴よりもスニーカーの方が滑らないからという話を
やはり聞いたことがあります。
尾瀬では、なぜかヘリコプターで荷揚げをしません。
工事のためのショベルカーを見かけたので、
ヘリコプターが使えないわけではないのでしょうが、
(尾瀬へと入る道はどこも木道ですから、
ショベルカーがそのキャタピラを動かして、
尾瀬に入ってきたわけではないでしょう。
でも、ショベルカーなんて、ヘリコプターで持ち上がるのでしょうか?
分解して運ぶのかな?)
でも、今もって食品類は歩荷さんが運んでいます。
ともあれ、北アルプスのように、
ヘリコプターが毎日上空を飛び回らないのは良いことですが、
その代わり、歩荷さんの労力というか体力が、
尾瀬の山小屋の生命線となっているわけです。
ですから、尾瀬では歩荷さんの通行が優先です。
歩荷さんは荷物のバランスに神経を集中しているため、
狭いところですれ違う際は、私の方が止まって道を譲ります。
5人ぐらいの歩荷さんとすれ違ったでしょうか。
ごくろうさまです。
山ノ鼻から鳩待峠まで、
コースタイムは1時間20分と記載されていますが、
サクサク歩いたので、わずか55分で鳩待峠に到着。
1時間20分というコースタイムは、
おそらく大勢の登山者で、
木道が渋滞することを見越しての時間だと思います。
8時30分より前に鳩待峠に着けたので、
8時40分発の戸倉行きシャトルバスに乗ることができました。
始発のバスなので、お客さんは私を入れても5名だけ。
皆、戸倉の駐車場に車を止めてきた人たちばかりで、
戸倉でバスを乗り継いで、JR沼田駅に向かうのは私一人だけ。
乗り継いだバスも登山者が4名ばかり。
鎌田という場所で今度は沼田行きのバスに乗り換えます。
(戸倉から沼田へ直通するバスもあります。)
JR沼田駅を10時52分に発車する電車に乗車。
前回使い残していた青春18切符を、ここで使ったので、
今回の電車賃はタダ。
…タダ… なんて素敵な響きなんだろう… ☆\(ーーメ)
もっとも浅草から東武快速とバスを使って尾瀬に向かっても、
JRを使って沼田駅からバスで尾瀬に入っても、
東京近郊からだと片道6000円ぐらいで到着できてしまいます。
遙かな尾瀬は、都会から遠いようで、結構近い場所にあるのです。
JR高崎駅近くまで来たら、雨が降り出しました。
山沿いのこの辺りは、もう天気が不安定になっているんだなあ。
JR高崎駅で上野東京ラインに乗り換えれば、
そこから先はもう乗り換え無しで東京駅に着くことができます。
便利になったものです。
そして自宅に着いたのが、14時30分頃。
山から降りてくるといつも思うけど、下界は炎熱地獄じゃ…
でも、この時間に降りてこられると、
露に濡れたままのテントを出して乾かし、
泥で汚れた装備を洗うことができます。
後片付けがその日の内にできて、
翌日の今日は、大洗濯の日。
まだ台風の影響が出ていないから、
今日の内に洗濯を済ませてしまおう。
そして、予定を早めて下山してきたので、
こうして今日一日を登山記録に充てることができたのでした。
おしまい。
安寿
2016/09/15 18:16:08
>ぱふぱふさん
全部読んでいただいたみたいで、
本当にありがとうございます。
でも、これを読んだだけで、
尾瀬を満喫した気になってしまうのは、もったいないですよ~。
ぜひぜひ尾瀬を訪ねてみて下さい。
鳩待峠から尾瀬ヶ原を散策するだけなら、
登山経験がなくても大丈夫です。
でも、山小屋に一泊するつもりで散策したほうがいいですよ。
キャンプの装備は一人の場合、
北アルプスのようなシビアな山域では、
フリーズドライの食事にしたり、
装備を軽くすることで、
だいたい17キロぐらいの重さになります。
でも、尾瀬は、
歩きはじめの場所から最初のキャンプ場までが近いし、平坦だったし、
キャンプ場の間の移動も3時間程度の下り道でしたから、
今回は、野菜を持ち込んで、
コンロも使いやすい大きめのものにして、
テントも過ごしやすい4人用テントを持っていったのです。
しかも、1週間、尾瀬に滞在するつもりでしたので、
結局20キロを越えてしまいました。
でも、私が使っている登山用ザックは、
ザックが身体にしがみついてくれるようにベルトで調整できますから、
重くても、振られることは少なくて済みます。
加えて、両手に2本のストックを持って、
バランスを取りながら歩いていけば、
重くても、まあ、なんとかなるのですよ。
山小屋泊まりにすれば、
食事も布団も山小屋が用意してくれますから、
軽い荷物で済みます。
お友達と一緒に、山小屋を使って、
尾瀬を訪ねてみるといいですよ。
ぱふぱふ
2016/09/14 22:39:33
素敵な尾瀬を満喫しました!(やっと今日読み終わりました)
いつもながら描写が丁寧なので一緒に歩いているような気がします・・・楽しかったです^^
一番びっくりしたのは20キロの荷物・・・一人で全部だからでしょうか
10キロ位でも立ち上がるの結構大変でしたから