コペンハーゲンからデュイスブルグまで 続き
続きです。
ハンブルグから、南に向かうにつれ、建物も増えてきたように思います。これから向かうデュイスブルグは、ルール地方の都市の一つ。ルール地方は、ドイツの工業地帯で、そのために、デュイスブルグや今回長期に滞在するデュッセルドルフがあるノルトライン・ヴェストファーレン州は、ドイツの中で一番人口が多い州です。この地域は、ゲーテとかメルヘンとかロマンティック街道とかいった、日本人がドイツに対して抱く典型的なステレオタイプではなく、刃物の代名詞であるゾーリンゲンとか鉄鋼王クルップといった無骨な感じがするドイツ、もう一つのステレオタイプがピッタリする地域です。
とはいえ、相変わらずICE(インターシティエクスプレス)は、真っ平らな平野の中をかなりのスピードで走り抜けていきます。まだ、3時半ですが、日が傾いて、すでに夕刻の風景になり、草原が金色のもやに覆われて、美しい…。日本の新幹線では、見ることができない風景です。
ハンブルグからブレーメンまで、約一時間。そこから次の停車駅であるオスナーブルックまで、また約一時間。列車は沈む夕陽を斜め前に見据えながら、走り続けていきます。ちょっと丘陵地帯のところを走って、ドイツに入って初めてのトンネルを体験。でも、丘陵地帯は長続きせず、ふたたび真っ平らな平野を、ICEは駆け抜けていきます。
5時頃に日が沈み、家々には明かりが灯り出し、ミュンスターに到着。ここからルール地方になり、この地方の中核都市が続きます。5時50分にゲルゼンキルヒェン。6時10分にエッセン。夕闇が迫り、もうほとんど真っ暗。木立や林が黒々としてきて、なんだか不気味です。ハンブルグでは、ほとんど満員だったこの車両も、かなり閑散としてきました。そして、次の停車駅が今日の目的地、デュイスブルグ、6時20分、約10分遅れで到着です。
いやあ、鉄子の欲望を十二分に満たす鉄道の旅だったのでした。
いやあ、鉄子の欲望を十二分に満たす鉄道の旅だったのでした。