安寿の仮初めブログ

安寿

これは、ニコットタウンに現れた安寿の仮想ブログです。

羽田空港までてくてくてく…。人がいない空港。

日記


天気晴朗なれど、風強し。
そんな中、前回の多摩川歩きの続きとして、
川崎から羽田空港までの約6キロを歩いてきました。

まず川崎駅から六郷橋を渡って、東京側に渡ります。
ここは昔の東海道、六郷の渡しがあったところ。
六郷橋の上から多摩川の下流を眺めれば、
もう羽田空港の管制塔が見えます。

多摩川の河川敷では、
野球少年、ソフトボール少女のチームが数多く練習中。
堤防の上には、多くのランナーやチャリダーたち。
もっとも風が強い日だったので、
皆さん、向かい風に苦しんでいました。

多摩川の河口に近づくと、
屋形船や釣り船が増えてきて、
岸辺には昔ながらの佃煮屋さんも開いています。

羽田空港の入口に立つ赤い鳥居。
ここがまあ、多摩川歩きの終点と言って良いのですが、
ここから先も、羽田空港のターミナルがあるところまで歩いて行けそうなので、
てくてく歩いてみることに。

多摩川の河川敷も堤防の上も多くの人で賑わっていましたが、
羽田空港の敷地に入ると、人の気配がしない。
バスやトラックが広い道路を走り抜けていくばかりで、
こんなところを歩いている人なんて、ほとんどいない。

東京モノレールが地下トンネルから地上へと出て来て、
最初に向かう先が、羽田空港第3ターミナル。
国際線のターミナルですね。
そこに向かって、てくてくてく…。

第3ターミナルに入ってみて、はじめて気がついた。

そうか…。
人の気配がしないのは、
ここがバスや電車で移動する空港敷地内だからというだけでなく、
そもそも飛行機が飛んでいないからだ。

3階、国際線出発ロビーの案内板はキャンセルの文字が並び、
この日の午後に運航されるのは、
ドイツ・フランクフルト行きのルフトハンザと
アメリカ・アトランタ行きのデルタ航空2便だけ。

巨大な第3ターミナル内に人影は少なく、しかも薄暗い。
チェックインカウンターが開いているのは、先の2便だけだから、
それ以外のカウンターは電気を消しているし、
開いているカウンターの周辺も、
トランクを持った旅行客より、職員の姿の方が多い。
そもそも乗客がいないのよ。

4階の店舗街は、ほとんどシャッターが閉まっていて、
コンビニとカフェと吉野家ぐらいしか開いていない。
Kittyちゃんグッズのお店なんて、休業中を通り越して、閉店してた。

5階の展望台に出てみると、
ここは望遠レンズを抱えた飛行機マニアの姿がチラホラ見られるけど、
展望台から飛行機が駐まるゲート周辺を見下ろせば、
そこには地上作業員の姿がない。
飛行機の廻りを走り回る作業車の姿もない。
仕事をしている人がいない。

国内線の第1・第2ターミナルなら、
乗客も作業員の姿ももっと多いのだろうけど、
国際線の第3ターミナルは、何もかもが停止している。
エスカレーターもその多くが止まったまま。

新型コロナウィルスによって、
人類のほとんどが死に絶えてしまった後の世界。
映画の中のシチュエーションが現実のものになっている…。


展望台にいたら、
フランクフルトからちょうど今到着したのだろう、
午後にフランクフルトに向かって出発するルフトハンザ機が入ってきた。

ブリッジが近寄り、扉が開いて、乗客が降りて …来ない。
そう言えば、2階の到着ロビーでも、
スーツケースを押している人なんて見かけなかった。

それもそのはず。
到着しても、入国手続きの他に、
新型コロナウィルスの検査を受けなければならず、
検査結果が出るまで、
空港内のスペースに待機しなくちゃならないんだもの。

しかも、その後、
公共交通機関を使わないよう要請されるわけだから、
スーツケースを押して、
京急やモノレール、バスやタクシー乗り場に向かう人も見かけないわけ。

ちなみに、自家用車かレンタカーでの移動が求められているようだけど、
自家用車もってないし、運転できない人は、どうしたらいいんだろう。
誰かに迎えに来てもらうの?

加えて14日間は、指定された場所で待機しなくちゃならない。
これでは、おいそれと渡航することはできないわけで、
別の言い方をすれば、それでも渡航する人って、いったいどんな人だろう?


とはいえ、人の気配がしない空港は、なんかいい。

飛行機を見に来た親子連れが展望台にいたけれど、
これだけ人がいないと、
子どもがはしゃぎ回っても他人にぶつかることがないし、
ベンチはどこでも空いている。
トイレも授乳室も完備してます。

私なら読書する本を持ち込んで、
日がな一日、出発ロビーで読書三昧してみたい。
フリーWi-Fiだし、電源も取れるし、机があるスペースもある。
カフェもコンビニもあるし、
キャンセルしている便が多いから、
出発や到着を知らせるアナウンスも聞こえない。

広大かつ静かな空間で、充実した時間を過ごせそうな気がする。


こんな時でもない限り、経験できない空港の姿を偶然知ることになったわけで、
このてくてく歩きもなかなか楽しかった。
帰りは、第3ターミナルから京浜急行に乗りました。

  • 安寿

    安寿

    2021/02/22 16:42:38

    >うとうとさん

    出発・到着時以外は人気がない地方の空港とは異なって、
    羽田空港に人気がないのは、驚きでした。
    国際線ターミナルだからかもしれませんが、
    緊急事態宣言中にもう一度行って、写真を撮っておきたい気がしています。

    新型コロナウィルスで人類のほとんどが死に絶えても、
    やっぱり私は生き残るのか…

    しぶとい。

  • うとうと

    うとうと

    2021/02/21 22:51:12

    混雑しない日はない羽田空港が!?
    ほんとに映画のシーンのようですね。
    生き残った安寿さんがロビーで本を読んでいるところに、どこからか逃れてきた親子連れが合流する場面とかね^^;