母の夢を見る。
母の夢を見る。
夢の中の母は、いつも病院の中にいる。
私が病院の中庭のベンチでサンドイッチを食べていると、
母が近づいてきて、「私にも一口くれ」と言う。
でも、母には食事制限があるから、私が渋っていると、
サンドイッチに挟まっていた、
にんじんのスライスだけでいいからくれと言う。
それなら良いだろうと思って、あげると、
母は、小さなにんじんを両手で摘まんで、
栗鼠のように美味しそうに食べる。
ああ~、そんなに美味しそうに食べるのなら、
サンドイッチ全部あげとけばよかった。
そこで目が覚める。
夢の中の母は、いつも可愛く、そして憐れ。
夢の中でいいから母に会いたいけど、
夢の中の母は、いつも可哀想でならない。