『戦争は女の顔をしていない』を読む。
ロシアによるウクライナへの侵略が始まった日、
私は買っておいた本を探し始めて、
それが見つからないことにいらだつ。
どこに置いたのだろう。
分類から言えば、このあたりにあるはずだが、
それが見当たらない。
そもそもこの家には、本が多すぎるのだ。
いやいや、私のズボラな性格がいけないのだ。
一晩中、気になっていた…。
今朝になって探していた本は、
分類場所が決まらずに、
とりあえず積んでおいた本の山の中にあるのではないかと気がついた。
あった。
神谷美恵子の本と中井久夫の本に挟まれるようにして、
その本は見つかった。
スヴェトラーナ・アレクシェーヴィッチ
『戦争は女の顔をしていない』
岩波書店(岩波現代文庫)2016
ウクライナ出身で、ベラルーシを中心に活動していたジャーナリスト。
2015年、この本の出版などによって、
ジャーナリストとして初めてノーベル文学賞を受賞した人。
現在は、強権的な大統領が支配するベラルーシを出国して、
ドイツにいるらしい。
本の一節。
「人間は戦争の大きさを越えている。
人間のスケールが戦争を越えてしまうような、
そういうエピソードこそ記憶に残る。
そこでは歴史を越えたもっと強いものが支配している。
わたしは視界を広げて、戦争という事実だけではなく、
人が生きるとは、死ぬとはどういうことなのか、
その真実を書かねばならない。」
(pp.9-10)
この本は、日本で漫画化されている。
小梅けいと『戦争は女の顔をしていない』角川書店2020
2巻まで出版されている。
そして、角川書店は、この漫画の出版にあたり、
朗読PVをYouTubeで配信している。
『戦争は女の顔をしていない』朗読PV (高山みなみ、田中敦子、水田わさび ほか出演) - YouTube
『戦争は女の顔をしていない』試し読みPV(CV:日笠陽子ほか) - YouTube
これが私の反戦運動。
戦争に対する私自身の異議申し立て。
一人でも多くの人がこの本を手に取ることを。
そして、そんな戦争を始める人々を、
軽蔑と哀れみの目で眺めるようになることを。
安寿
2022/03/07 13:27:44
>りゅぬさん
便乗値上げならぬ、
便乗同盟強化、便乗核共有、便乗エネルギーの安全保障(→つまり原発再稼働せよ)論者が
この機を逃してなるものかと、モグラたたきのように顔を出していますが、
便乗しているだけの議論ですから、ちょっと真剣に考察してみると、
すぐに杜撰な議論であることが明らかになります。
例えば、核不拡散条約に加盟したまま、
核共有あるいは核の保有を進めれば、
それはイランのようなケースになりますし、
核の共有・保有のために核不拡散条約から脱退すれば、
朝鮮民主主義人民共和国と同じケースになります。
アメリカとの同盟強化だから構わないと考えているのかもしれませんが、
いずれにせよ、核不拡散条約を骨抜きにすることになります。
そのようなことを日本が行って、いったい何の利益があるのでしょう。
東アジアの緊張を、日本の側から高めるだけです。
ロシアと国境を接するエストニアやラトビアは、
NATOに加盟していますが、核共有は行っていません。
仮にエストニアやラトビアが、ロシアのウクライナ侵攻をキッカケに
核共有の議論を進めたら、両国とロシアとの緊張は一気に高まります。
ウクライナと同様、NATOの脅威を根拠とすることで、
ロシアの軍事侵攻を招くことにもなりかねません。
両国において、力に対して力で対抗することは、現実的な対応と言えるでしょうか。
このように少し検討を進めるとすぐに行き詰まる粗雑な議論を、
彼らは呼びかけているわけで、
つまり彼らは、この問題について大して考えていないか、
あるいは、この機に乗じて自らの国家観やイデオロギーを実現したいだけ。
力による抑止論は、一見現実的なように見えて、
国際情勢の現実を見たとき、実は少しも現実的な思考ではないのです。
むしろ、彼らの国家観にとって「現実的」なだけなのです。
アレクセイ・ゲルマンやゲオルギー・ダネリヤは知りませんでした。
『神々のたそがれ』や『不思議惑星キン・ザ・ザ』の監督ですね。
気にしておきます。
安寿
2022/03/01 16:23:02
>りゅぬさん
おおお~、プーチンの演説文を読んだのですね。
私は、まだチェックしていません。
読もうという気になれないのです。
厄介な人物が近くにいる時、
それに対抗すべく、大勢のものたちが同盟を結ぶという発想もありますが、
力で対抗しようとすればするほど、相手も力で対抗してきて、
結局、危機が昂進してしまうという現象が発生します。
いわゆる「安全保障のジレンマ」という奴です。
ですから、力で対抗するよりも、
常に相手にとって重要な存在でありながら、
しかし、力で物事の決着を付けようとする相手には与しないというスタンスを
採るのがいいのかなと考えています。
『ラブレス』、気にしておきます。
私にとってロシアの映画監督は、まずもって
『僕の村は戦場だった』『惑星ソラリス』『鏡』『ノスタルジア』『サクリファイス』
を監督したアンドレ・タルコフスキー。
そして、『太陽に灼かれて』のニキータ・ミハルコフでしょうか。
ロシアは、音楽においても文学においても映画においても演劇でも、
素晴らしい作家を輩出するのですが、
殊、政治になると、粗雑で粗暴な権威主義者ばかりになってしまうのが残念です。
安寿
2022/03/01 16:14:55
>りゅぬさん
おおお~、プーチンの演説文を読んだのですね。
私は、まだチェックしていません。
読もうという気になれないのです。
厄介な人物が近くにいる時、
それに対抗すべく、大勢が同盟を結ぶという発想もありますが、
力で対抗しようとすればするほど、
相手も力で対抗してきて、
結局、危機が昂進してしまう現象が起きます。
いわゆる「安全保障のジレンマ」という奴です。
ですから、力で対抗するよりも、
常に相手にとって無視できない存在でありながら、
しかし、力で物事の決着を付けようとする相手に与しない。
このようなスタンスがいいのかなと考えています。
『ラブレス』、気にしておきます。
私にとってロシアの映画監督は、
まずもって『僕の村は戦場だった』『惑星ソラリス』『鏡』『ノスタルジア』『サクリファイス』
を監督したアンドレ・タルコフスキー、
そして、『太陽に灼かれて』のニキータ・ミハルコフでしょうか。