確か多摩動物園に行った。

親子遠足だったが、妹が小さかったからか、具合が悪かったかして、祖母がついてきてくれた。

何を見たかはそんなに覚えていないが、普段絶対物を買ってくれたりしない祖母が、土産物屋で動物カードを買ってくれた。

黄緑のカード入れの中に50枚くらい入っていて、表はカラーの写真、裏にはその動物の特徴が書かれている。

当時はフルカラーのカードなんて珍しかったし、何より祖母から物を買ってもらえたのがうれしくて、何度も繰り返し見ていた。

もしかしたら、まだ実家のどこかに残っているかもしれない。

パンダ来日のあたり。

始めてきたランラン・カンカンのパンダに日本中が熱狂した。

上野動物園はすごい混雑で、1時間以上並んでパンダ舎に入り、立ち止まらずに歩いていく中、ちらっとだけ見られるパンダをみんなが観に行った。

私もパンダのぬいぐるみを買ってもらったが、当時のぬいぐるみのしっぽは黒かった。

ぬいぐるみ製作者もパンダをちらっとしか見なかったんだろう…。

結納の時、義父母とともに３歳になりたての甥もやってきた。

その時、結婚式をする予定の上野に行ったとき、帰りに上野動物園の前を通った。

じいちゃんが「ここにパンダがいるんだよ」と言うと、どの子は「パンダは上野にしかいないんだよ」と答えた。

「ここが上野だよ」と言った時の目を丸くしたさま、こましゃくれているようで無茶苦茶かわいかった。

この甥もすでに1児の父である。